昨2008年末からイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザに大規模攻撃を開始。世界的に大きな注目(あるいは非難)を集めているが、動画共有サイトYouTube(ユーチューブ)もその例外ではなかったようだ。
イスラエル国防軍は1月29日付で「IDF Spokesperson's Unit」と題する軍広報用のYouTubeチャンネルを開設。広報官によるブリーフィングやガザ地区空爆の様子を動画で宣伝。1月6日現在、30以上の動画を掲載し、ハマスが輸送中のロケット弾を空爆した映像だとする動画は40万を超える再生数を記録している。
そんななかで、やはりパレスチナ/イスラエル関連で、より多くの視聴者を獲得した動画がある。イスラエルのネットラジオ放送サイトが投稿した「I'm Feeling Lucky」だ。ガザ地区に近いイスラエルの都市アシュケロンで昨年12月31日に撮影されたとされ、公開から4日間で約100万回再生を記録した。
動画の映像は監視カメラの類と見られる。ひとりの男が画面奥から手前に道路沿いに歩いてくるのだが、そのすぐ後ろで、突如としてロケット弾によると見られる爆発が発生。男は間一髪、ラッキーにも難を逃れたというわけだ。動画の終わりには「わたしたちはイスラエルのハマスに対する戦いを支持します」とのメッセージが訴えかける。
イスラエル国防軍の動画ではコメント機能がオフにされているが、この動画はコメントを受け付けているため、2000以上のコメントがついた。イスラエル側、パレスチナ側それぞれを支持するコメントが相半ばし、お互いに「敵」を攻撃する発言で、コメント欄は収拾がつかない情勢となっている。
英語の4文字・放送禁止用語などで罵り合い、お互い自己の攻撃を正当化しつつ、相手こそがテロリストだと非難するプロパガンダ合戦が繰り広げられている。現実の紛争同様に解決の糸口は見いだせない。
OP・コンチーネ