<テレビウォッチ> 中国から輸入したタケノコ水煮を「国産品」と偽装、パッケージに実在しない『生産農家の皆さん』の写真を印刷し、消費者に販売していた悪質業者が明るみになった。
キャスターの赤江珠緒が「生産者の顔が見える方がいいというアイデア、それが嘘だったらどうしようもないですね~」と、この手の込んだ産地偽装事件を報じた。
前代未聞の悪質業者は、愛知県一宮市にある『たけ乃子屋』の森嘉仁社長。「止められずにここまで来てしまいました」と記者会見(12月18日)した。
で、その手口とは……。輸入した中国産タケノコの水煮を偽の写真が印刷されたパッケージとともに熊本県内の取引業者にいったん販売。
取引業者が、国産のタケノコを混ぜ、鹿児島産などと国産表示された偽写真付きパッケージに詰めて最終製品化。これを再び『たけ乃子屋』が一割増しで買い取る仕組み。
パッケージの写真には男女3人が写っているが、偽装に協力した取引先の従業員だという。
『たけ乃子屋』は、2800トンを中国から輸入し、国産タケノコ14トンを混ぜ、すでに1080トンを首都圏で売っている。
しかも、偽装はタケノコだけでなかった。記者会見で森社長が明らかにしたところでは、中国産の輸入原料を使って、「高知県産」フキの水煮、「愛知県産」レンコン水煮、「新潟県産」ぜんまい水煮も産地偽装していたという。
手の込んだ産地偽装に協力した取引業者は「初めは写真を使うのを知らなかった。当社の営業部員、従業員の写真が載っていたが、仕事が欲しいから、しょうがないなと……。たけ乃子屋さんとの力関係でどうしてもやらざるを得なかった」という。
愛知県警は不正競争防止法違反の疑いで捜査する方針という。
しかし、週刊朝日編集長の山口一臣は厳罰が必要と次のように……
「産地偽装の本質は、偽装するだけで高く売れる価格差。本来価値のないものを偽って売るわけだから、JAS法違反とか不正競争防止法でいいのか、もっと強い処罰が……」
ジャーナリストの大谷昭宏も「生産者の写真をつければ信用するだろうと、消費者の心理を裏切って利益を上げているのだから厳しく罰していい」と。
偽装食品が後を絶たないのも、法律が生ぬるいという側面があるのかも……。