<テレビウォッチ> 築地市場のマグロのセリ場が、おととい(12月15日)から外国人観光客を閉め出した。マナーが余りにも悪いからだというのだが、映像で見ると、これはたしかにひどかった。
映像はセリ場公開最後となった先週土曜日(13日)のもの。午前5時というのに、セリ場には大勢の外国人が詰めかけてセリの開始を待っている。いよいよセリが始まった。とたんにフラッシュ禁止というのにフラッシュの嵐だ。規制線を張ってあっても中へ入ってくる。中には酔っぱらってマグロなど魚に触ったり、なめたり、ひどいのはタバコまで吸ってる……
かべには英語で禁止事項が書いてあるのだが、1人が破ると他が続く。観光客とのやりとりは、「ノーフラッシュ」「ゴーアウト」「ドントタッチ」となってしまう。彼らを連れてきた人間が誰なのか、いるのかいないのかもわからない。お手上げというわけだ。
これを監視しているのが、森本博行・市場長なのだが、「世界一の市場に誇りを持っている。正しい姿を見てもらいたいが、限界です。禁止は苦渋の選択ですね」という。
そうカメラに向かって話してる間にも、魚介類輸送のカートを勝手に運転して走りまわるヤツがでたり、制止されてもまた乗り込む若者……「ゴーアウト」という市場長に、ジーンズの若者は平然と、「タノシカッタ」「ナマエハ何デスカ」「ワタシハフランス人デス」「スイマセン日本語ハチョット……」
まさにすれっからし。日本にも長いに違いない。一発ぶんなぐってやるのが一番なのだが……などと思ってしまう。
築地を訪れる外国人は数年前から急増。人気はマグロのセリ場で、なんでも金閣寺に次ぐのだという。むろん、「行儀が悪いための禁止とは残念だ。ちゃんとそこの文化は尊重するべきだ」というまともな観光客もいるのだが。
とりあえず禁止は、年末年始の一か月間。1月17日までだそうだ。テリー伊藤がお休みなので、お兄さんのアニー伊藤が、カメラに向かって「Behave well and enjoy Tsukiji」なんてやってたが、ここはひとつテリーの辛口コメントが欲しかった。
加藤浩次も、「テリーさんがいないのが……しかし、悪いのは一部の人間でしょう」
アンドレア・ポンピリオは、「本当に一部の人間だと思うが、明確なルールがないですね。入れちゃいけない。あるいは見せ方をきちんとしないと」と。これが正しいところだろう。
築地で本当に外国人に見せたいものはそんなものじゃない。あそこには、日本の商売の原点がある。あれをみれば、なぜトヨタが売れるかもわかるのだが……。