「新型インフル」の不気味な周期 始めた方がいい「心の準備」

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   <テレビウォッチ>もし、新型インフルエンザが発生したら――国立感染症研究所が行ったシミュレーションはおそるべき数字をはきだした。最悪の場合、感染者数は3200万人、死亡者 64万人。これ、どうやら騒ぎすぎではないらしい。

相当やばい

   1997年5月、香港で3歳の男児が死亡した。医者ははじめ風邪と診断したが、死因はその時点では未知だったウイルス、H5N1型による鳥インフルエンザだった。2003年以降H5N1型の感染者は15か国387人で、245人が死亡している。

   H5N1型は、鳥から人間への感染だが、ここでいう新型というのはもちろん、変異して人間から人間に感染するようになったウイルスのこと。新型発生は10年から40年に一度起こるといわれている。

   1918年の「スペインかぜ」では、世界で4000万人、日本で39万人が死亡した。57年の「アジアかぜ」では世界で200万人以上が、68年の「香港かぜ」では100万人が死亡した。その「香港かぜ」からちょうど40年だ。

   今回のシミュレーションは、1人の感染者から何日でどれだけ感染が拡大するかをおったもの。「新型は、何日も経って感染がひろがってからでないとわからない」(同研究所)のだから、最悪のケースと予防措置を講じたらどうなるかを示したモノ。

   海外で感染した男性が八王子の自宅に戻ってから、妻と子どもの家族、丸ノ内の会社への通勤、家族の行動からウイルスが拡がるさまは正直恐ろしい。潜伏期間が1―3日、自覚症状がない段階から感染するというのだから、東京の一点から始まった汚染が10日で関東地区一円に拡がり、地図が真っ赤になった。これが最悪のケース、関東だけで12、3万人になる。

   シミュレーションは、6日目に感染が確認され、政府が通勤、通学の自粛を呼びかけるというシナリオをつくった。その結果、感染者はざっと15分の1、8000人に抑えられた。

   加藤浩次は「相当やばい。我々はどうしたらいいんでしょう」と、電話で北大の高田礼人教授にきいた。しかし、教授の答えは「一般論として、外出制限だ」とごく常識的なものだった。

   政府はいま、タミフル2500万人分を備蓄しているが、これはあくまでH5N1型用で、たとえ数が足りたとしても、効果は「飲まないよりはいいだろう」くらいしか期待できない。新型用には、ウイルスが見つかってから作らないといけないわけだ。これに半年かかる。

   つまりは、外出制限が唯一最良ということになる。また、社会が動いている以上、動かない訳にもいかない。となるとマスクとか何とか。まあ、これも常識的といえば常識的。

   香山リカは、現場でもよく聞かれるらしく「まだ起きていないんだから冷静にといってる」と。これ、もっとも常識的。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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