<テレビウォッチ>元厚生次官宅を襲って3人を殺傷した事件で警視庁に出頭し、銃刀法違反で逮捕された小泉毅容疑者(46)。
新たに「他にも元厚生次官を襲うつもりだった」と供述していることが分かった。
この供述を裏付けるように、警視庁に乗り付けたレンタカーの中から殺害予定とみられる元厚生次官10人の名前、住所が書かれたメモが見つかっている。
また、人数に合わせるかのように、レンタカーには10本のサバイバルナイフが見つかり、警察が押収している。
この執拗な殺意の動機が「34年前、保健所に家族(ペットの犬)を殺された仇討」。しかも、仇討の対象として「高級官僚は悪」と決めつけ、「これをやるために生きてきた」とも供述している。
しかし、34年前の犬は自分の父親が保健所に依頼して処分させたもので、高級官僚を恨むのは筋違い。番組は、こうした辻褄の合わない、不自然な疑問点を取り上げた。
まず、取ってつけたような動機に加え、全く無関係な妻たちを殺傷する残虐性から、背後に犯行を指示した第3者がいたのではという疑問だ。
ニューズウィーク日本語版編集長の竹田圭吾は「つじつまが合わない。高級官僚がなぜ厚労省なのか。供述は、単独犯行を社会的に認知させようとしているような印象がある。第3者の関与が全くないなどとは言い切れない」。
モデルの前田典子も「何か背後に関係がいるのでは?と思う」と。
第3者の関与を思わせるもうひとつの疑問は、無職の男が10年間も首都圏で仕事をせずに1人で生活できたのかということ。それも家賃(月額6万2000円)を1度も滞納せずに。
番組は、その謎を解くカギになるのでは? と、今年(2008年)9月と10月に、小泉容疑者の自宅近くのスッポン料理店に若い女性と2人で来店したことをあげた。
店主によると、女性は27、8歳で、身長1メートル40~50センチのポチャッとしたずんぐりタイプ、水商売風には見えなかった。(2人は)食事中1度も会話がなく、アルコールも飲まず、2人分1万4、5000円を女性が払った。
10月に来た時は、女性が「今日は雑炊のお土産を倍にしてくれ、こっちは(小泉容疑者は)1人もんだから」と話したという。
小倉キャスターが「どうやって生きてきたのか分からないですね~」。
これに竹田が「生計がないということだけでなくて、ここまで社会と断絶された人がいるというのが不自然な感じ。生活保護を受けていたわけでもなく、消費者金融に借金があったわけでもなさそうで……」。
「物的証拠」をレンタカーに一まとめに積み込んで、警視庁の正面玄関に乗り付けるのも、単独犯行を強調するかのようで何か不自然だ。