<テレビウォッチ> 「8時またぎ!」で、ボードにレンタカーの写真。ドアが開いて後部座席が見える。みのもんたが指さして、「段ボール箱が2つ乗ってるよ。ここにもうひとつの(元次官の)名前があった」。
先週土曜日(11月22日)夜、「おれが次官を殺した」と警視庁に出頭した小泉毅容疑者(46)の状況がだんだんわかってきた。
1. 厚生省職員録で住所を探し出し
2. 山口剛彦(66)美知子(61)夫妻を殺害(17日)
3. ついで吉原健二さんの妻靖子さん(72)を襲った(18日)
4. 第3の元次官を襲う予定だったが、警備がきびしくなったので断念
5. 報道各社に予告したあと、警視庁に出頭(22日)
わからないのが動機だ。「こどもの頃、飼い犬を保健所に処分された恨み。大人になったら仕返ししてやろうと、そのために生きてきた」というのは、理屈にもなんにもなっていない。有識者は、「心の中に障害として残った」「自分の運命を冷静に理解できない(秋葉原型)」などをいうが、どれも説明しきれるものではない。
ひとつ、「働いてないのだから、バックにスポンサーがいたのではないか。示唆した人間がいるのでは?」(佐藤喜宣・杏林大教授)というのがあった。むしろ、この方が説明がつくかもしれない。
生い立ち。少年時代は目立たない優しい子で、イヌをかわいがっていた。そのイヌを父親が処分したショックは大きかったようだという(父親)が、それは小学生のころだ。「大人になったら」といって、いま46歳である。
成績は良く、佐賀大学に進学したが中退。ここからの軌跡、特に心の軌跡がわからない。取材で明らかになる小泉容疑者の姿は、トラブルメーカーそのもの。工事がうるさいと怒鳴り込む、社長の自宅でいやがらせ。タクシーにぶつけられたと、1年以上も病院通いとタクシーの送りを強要、などなど。高校の同級生は、「人相が変わった」という。なにがあったのか。
与良正男は、「働いてもいないのに、6万円の家賃を滞納していない。このあたりを調べる必要がある」
道あゆみも、「報道されている情報からは、標的になった人とが結びつかない」
ところで冒頭の段ボールの写真だが、これは22日にTBSの警視庁担当が撮った映像だ。その時点で注目すべきは、さいたま市と中野区の犯行が同一犯人かどうかだった。小泉容疑者は、住民票までもっていてさいたまは間違いない。つまり、スニーカーは2足あったか(2か所の足跡が違う)、段ボールはあったか、車はスライドドアだったか、である。
それが3日も経って、「段ボールが写っていました」とは情けない。レンタカーは3台使ったらしいと。きょう発表になった。
行政のトップをねらうという許し難いテロ。にもかかわらず、このありさま。警察発表のテンポものろい。おそらくは意図的に発表を遅くしているのだろうが、この判断はちょっと解せない。
きのう、今日(11月25日)と、テレビが「新たな事実がわかりました」というのはどれも、出頭した当日にはわかっていたことばかり。メディアがそういうものだと思っているらしいところが、なんとも心配だ。