タジク族のドキュメンタリー 心に残る一言とは

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   <テレビウォッチ>フジの「天のゆりかご」。関西テレビ放送が開局50周年でつくったドキュメンタリーだ。中国やパキスタン、アフガニスタンなどにまたがるパミール高原に住むタジク族を1年かけて追いかけた作品だった。

   タジク族は電気水道もない環境で、ヤギなどの牧畜や農業で暮らしていた。冬になると標高の低いところへ家畜を連れて移動する。一家の娘の結婚など様々なエピソードが織り込まれていた。

   作品を通して家族の絆が大切だ、と訴えたかったようだ。家族を核に伝統、文化を守っていく、と。ミュージシャンで芥川賞作家の川上未映子が現地に行っていた。ちょっと「世界ウルルン滞在記」っぽい感じがしたけど、ウルルンのように特に何をする訳でもなかった。番組構成上、出てくる必要があったのか疑問だ。

   テレビの本質を考えた際、ドキュメンタリーは大事だし、今後重視されていくと思っている。そういう意味でかなり好意的にこの番組をみた。が、こんなものかな、と物足らなかった。景色は素晴らしいものがあったけど、いろんな映像が景色に負けていた。映像の撮り方がこなれていない、という印象が強く残った。中心となるダウティ一家へのアプローチも、どこか上から目線だった。期待していた分、ちょっと残念だった。

   しかし、1年間かけて取材をしっかりやろうとする意図は伝わってきた。よく取材したと思う。江口洋介のナレーションも淡々としていて良かった。一家の中心ダウディの一言も心に残った。自分たちの暮らしぶりは貧しく見えるかもしれないが、本当に貧しいのは友達がいない人だ、と。

      友のない 人ほど貧しき ものはない

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