<テレビウォッチ>理屈はどうあれ、とりあえずお金がもらえるのを拒否する人はいまい。迷走する定額給付金の仕組みがきょう(11月12日)決まる。で、その名前でまた一悶着。「給付」というのは「施し」のように聞こえて具合が悪いというのだ。じゃあ、なんと呼ぶか。
笹川総務会長が「迷走しちゃったからね」という。「鉛筆削って『支給』『給付』『振興券』……と書いて転がすか。自らの決断がないときは、神にゆだねるしかない」と。これこそ「施し」気分丸出し。
所得制限すべしと問題を提起して、麻生首相の「自主的な辞退」についても「制度じゃない」と正論を吐いていた与謝野経済財政相も、ここへきて「迅速に給付する上からは所得制限は障害になる。(首相の考えを)理解してその線に沿った案を作っている」といいだした。
麻生首相はおととい(10日)、「年収5000万円でも欲しい人もいれば、500万円でも要らないという人もいるでしょう」と、相変わらずとらえどころのないたとえ話。「自主的に辞退する」所得のめどはいくらなのか。決断が出てこない。
「朝ズバッ!」はさきに麻生首相が視察したスーパーの買い物客50人に、「高額所得」とはいくらなのか、庶民の感覚をきいた。すると、年収1000―1500万円と答えたのが16人。「辞退しろといわれればしょうがないかな」という線だとか。なかには2000万円、5000万円なんてのもあった。
高額所得者の多い六本木ヒルズの住人に行った同じアンケートでは、12人が回答。回答額を平均すると、3250万円だった。しかし、答えた全員が「給付金はもらう」と答えた。
JNNの取材では、政府は年収2000万円(額面)をボーダーラインとしそうだとのことだが、これは庶民感覚よりは相当に高い。
配布方法は、給付の通知が一人ひとりに届き、それを持って役所に申請すると、銀行口座に振り込まれるということになるようだが、みのが住んでいる逗子市も「なりすましなど犯罪対策も必要」といっている。慣れないことでうろうろするような状況は、詐欺師達にはねらい目だ。振り込め詐欺の舞台にもなりかねない。
みのもんたは、「ここまできたら、やめるべきだろう」という。毎日新聞の社説が、そういっていた。「何をやらなければいけないか。ほかにいくらもあるでしょう」
さあ、どんな形になるか。見ものではある。