これから先、女は余るばかり。
先日、自分のことを言われているようで、背筋がゾクっとした。
あるデータによると、都会で働く女は、結婚相手の男性に求めるハードルが高すぎて、現実離れしているんだそうだ。
未婚女性たちが結婚相手に望む年収と、実際にその年収を得ている男性の比率は、女性の理想の1/10という結果。1/10の割合で、男性をとりあう女性。
これじゃぁ、なかなか両者が合意することは少ないだろう。
もう一つ拍車をかけるのが、1/10の割合の男性は、多くの場合が既婚者だということ。独身男性で、女性の理想の年収を稼いでいる人となると、もっと割合が低くなるのは目に見えている。
「今こそ、考え方を改めなくては」
このデータだけを見ると、これまでの私の考え方のままでは、生涯独身宣告をされたも同然だ。
29歳の今こそ、考え方を改めなくてはならないらしい。
しかしながら、宣告をされた私にさらに追い打ちをかけるように、データは語りかけてくる。
身の回りに、女性たちが望むような男性が1人いた場合、回りの女性の4~5人は婚期を逃すのだそうだ。
確かに。白馬の王子様的な男性が身の回りに1人いると、私も妙にソワソワしてしまう。いつの日かカレをゲットできるのは、この私かもしれない……と、何人もの女性が、1人の男に対して妄想を抱いてしまうのである。
あ~、もう早く目を覚ましなさい!
そんな夢のようなカレを追っていても、まず自分の手に落ちることは、ないのだから。わかっちゃいるけど妄想は止まらない……
これぞ完璧な負のサイクルだ。女子よ、目覚めよ。
もっと手頃な男で落ち着いてみない?
自分だって、そんなに値打ちのある女だった?
いまさら、そんなことを言ってくれるな!
女子ならば誰もがわかりきっていることだ。
女子だって目覚めてはいる。しかしも心の中で密に願う。万が一、今の自分の環境をガラリと変えてくれるような男性が現れるかもしれない! と。
データが妄想を今すぐやめろと語りかけてくる中、現実の世界でも、こんな発言が私の耳に飛び込んできた。
「ご飯に行くって言って、ファミレスに連れて行っても、素直に喜んでくれる子はいいよね。この子は本当にいい子だなって思うよ」
この話を聞いた瞬間、私の顔がピクピクと痙攣を起こしたのは言うまでもない。
発言の主は女性の理想の年収をはるかに超える男性。
彼の言ういい子じゃない女の1人として、思わず拳を握り締めていた私。
これじゃぁ、理想と現実のギャップが埋まる日が訪れることは、まずない。
理想と現実、新たに思い知らされた一コマだった。
モジョっこ