<テレビウォッチ>大都市・東京の週末は妊婦にとって「無医村」同然なのか……。出産真近の女性(36)が7つの病院から受け入れを拒否され死亡した問題を取り上げた。
女性は、自宅で頭痛や吐き気を訴え救急車で最初はかかりつけの産科病院に運ばれた。
しかし、脳疾患を疑った同病院では「手に負えない」と担当医師が、約800メートル離れた周産期母子医療センターを併設している都立墨東病院に受け入れを打診したがここでまず断られた。
この後次々と受け入れを拒否され、結局、1時間20分後に最初の墨東病院に入院、男の赤ちゃんを帝王切開で出産したものの、母親は意識不明のまま、赤ちゃんを見ることなく3日後に亡くなった。
受け入れを拒否した理由を見ると、4病院がNICU(新生児集中治療室)が満床。「感染症の可能性があり、個室がなかった」(慶應大付属病院)、「切迫しているとは思えず」(日赤医療センター)という理由も。
他府県から見ると羨むほど大病院が林立しているはずの東京で、いったい何故??
女性が亡くなった直後から取材しているという医療ジャーナリストの伊藤隼也は、墨東病院は、「7月から産科の当直医師は1人で周産期母子医療センターの機能を持っていない。医師の数が足りないのが基本的にある」と。
さらに「脳疾患でもお産にかかわりがあれば、脳外科医がいても受けつけないのが東京のルール。そこが問題なのです」と。
その結果、消防庁が2006年にまとめた「産科・周産期傷病者搬送実態調査」では、(受け入れ先を探すのに先を探すのに)1時間以上待たされた件数は東京43件、神奈川14件、大阪10件。このうち最も多く待たされた時間が東京3時間37分、大阪2時間17分、神奈川1時間44分だった。
またタライ回しの件数は、東京が91件、大阪30件、神奈川22件
このうち20回以上もタライ回されたのが東京は6件もあった。
これほど病院が多いのに、なぜ「無医村」同然なのかといいたくなるが、背景について伊藤は、「病院が多すぎて、どこかが見てくれるだろうと、責任感が低下しているのも一因」という。
小倉は「僕はオリンピック誘致賛成ですが、人の命も守れないのに、銀行救済で何百億も出したり、オリンピッどころではないだろうという声が必ず出てくる」と。