<テレビウォッチ>TBSの第1回「キングオブコント」。M―1の向こうを張っての企画だ。2146組が参加し、8組が勝ち残った。この8組がAとBに分かれ、それぞれの勝者が決勝で戦うという仕組みだった。
司会はダウンタウンと小林麻耶。採点はお笑い同業者たちだ。ネタは5分以内という最近としては長めの時間設定だ。これはなかなか年季がいる。ちょっとした腕がないと5分はもたない。若手のコントにはスキがあった。
決勝には、バッファロー吾郎とバナナマンが勝ち残った。もう20年近い芸暦があるバッファロー吾郎が優勝した。決勝のネタだけみると個人的にはバナナマンの方が面白い気がしたが……。ま、結果は結果だ。準決勝で負けた組が、決勝では審査員に回り、勝ったと思う方を口頭で発表していくという新手法は、まあいいのではないか。
番組のエンドロールに吉本の名前が制作協力として挙がっていた。瞬間芸のようなものでなく、じっくり5分取り組むという方向で仕掛けたのもいいと思う。出演者たちはさほど緊張せずのびのびやっていた。全般的なネタの面白さとしては、普通かな。
それにしても優勝賞金1000万円ってのはひどくないか。高過ぎだ。300万円ぐらいなら、なるほどな、と思えるけど。M―1に対抗したんだろうが、違和感があった。
とはいえ、アメリカ発の金融危機で暗い話が多い中、「笑い」は忘れずにいたいものだ、と改めて思った。
恐慌で 国破れても 笑いあり