<テレビウォッチ>週刊誌で元若ノ鵬に新たに八百長疑惑を名指しされた魁皇と千代大海の2人の大関を取り上げたが、相変わらず『週刊誌の記事に右往左往するワイドショー』という印象が浮き彫りに……
問題になったのは、先週発売された週刊現代10月25日号に掲載された記事によると、おおよそ次の通りだ。
7月場所で元若ノ鵬は、近寄ってきた千代大海の付き人から「大関は今場所がカド番。負け越したら大関から陥落してしまいます。あなたは若いから何年でも(相撲が)取れますので、転んで(負けて)欲しい」と持ちかけてきた。見返りに100万円を受け取ったという。
名指しされた千代大海は、日本相撲協会で14日事情聴取を受けた後のインタビューで、「僕は、全く身に覚えがないと強く伝えた。もっと感情を出して言いたいのですが、言えない悔しさもある……」。魁皇も「やっていないのを証明するのは難しいし、ばかばかしい」と。
で、リポーターの横野レイコが「『とくダネ!』だけにくれたんですけど」と、変な自慢?をしながら週刊現代が文書にしたためたコメントを披露した。それには「元若ノ鵬の証言は詳細で具体的なものであり、体験した者しか話せない説得力がある」とあった。
いずれも当然予想されるコメントだ。これだけでは、女優の高木美保が言うとおり「両方ともリアリティーがありますね」となる。
ここはやはり、話を持ちかけた千代大海の付き人は誰で、協会はこの付き人に対し事情聴取したのかどうか、詰めるべきだった。まったく触れずじまいはおかしい。
しかも、2人の大関は(裁判は)時間がかかり提訴するつもりはないとか。千代大海は「個人的な気持よりも、テレビとかマスコミの前で、国民の不安を取り去るのが、まず先ではないですか……」という。
「国民は不安」に思ってなどいないと思うが、八百長疑惑が吹っ切れないことは確かだ。
キャスターの小倉が「大関とか、カド番が多すぎるから疑惑を招く。しかも、1日の取り組みのうち何番かは、情けない取り組みがあるもの。それに一部の週刊誌が、何で目の敵にするか考えたほうがいい」と、何やら含みのあるコメントを……