<テレビウォッチ>元力士の若ノ鵬が今度は名指しで琴欧洲が八百長相撲をしたと「週刊現代」で告発、八百長裁判に一石を投じようとしている。
番組によると、ロシア語で「負けてほしい」と頼まれ、100万円を渡されたと、若ノ鵬は言っているらしい。リポーター連が、琴欧洲を直撃して尋ねる。答えは当然ながら「まったくのウソです。そんなことありません」と全面否定。スタジオに招かれた元力士の龍虎も、「こいつ(若ノ鵬)の言っていることは、何を言っているのかわからない」と聞く耳を持たない口ぶり。
ただ、八百長相撲を指摘された方が雑誌、ライターを訴えた場合、名誉棄損が成立するかというと、必ずしもそうではないようだ。田中喜代重弁護士は「真実の立証は検察、警察でなく民間でやることで期待できない。記者として要求されるのは調査義務をどれだけ尽くしているか。真実と信じる相当な理由があったかどうかが争点になる」とし、メディア側が勝つとすれば、八百長があったかどうかわからないけど、やるべきことはやったと判断されたときだ、と語る。
スタジオ陣も、裁判の行方はどうあれ、世間はグレーの印象で受けとめ、協会にとってはマイナス、という見方で足並みを揃える。その中で龍虎だけは「八百長はない」の立場を堅持。これに対して、小木逸平が「では、なぜ八百長といわれるようになったのか」と聞くと、龍虎は、巡業先ではご当地力士に花を持たせて勝たせるが、その時に「これを持って来ないとガチンコだよ」と胸の前で親指と人差し指で丸をつくって見せ、「ガチンコというのはそこからきた」と解説。
八百長の説明にはなっていなかったが、その手つきと言い方は、本場所で同じことが行われてもおかしくはないだろうな、と思わせるくらい堂に入っていた。