「カンパ~イ!」
今回はセックス・アンド・ザ・シティーの女子飲み「To Us」ではございません。珍しく男子との飲み会での話でございます。
が、男子と言いましても、ロマンティックなデートネタではなく、いわゆる 仕事帰りの一杯! のお話です。
某番組でお世話になっているディレクター2人との赤坂での夜。
「オレさあ、もうおじさんになっちゃったからさぁ。ダメなんだよね」
「ホント。おやじになった。最近、老後のこととか考えだして、ゾッとした」
やはり、なんとも色気のない話です。
こう話すのは、テレビ番組の制作会社のディレクター、A氏38歳とB氏36歳。この年齢は全然オヤジじゃないじゃ~ん! 老後なんて、まだまだ先! と、年上好きな私は大声で言いたい。ちなみに両氏とも現在彼女なし。詳しく言えば、ここ数年彼女なし。仕事をバリバリやっていて話し上手で、笑顔が素敵! なお2人。何をお困りなんだろう? 業界人な顔していれば、女の子の1人や2人はどんどこついてきそうなのに。
そ~んな風に思って、私1人ビールをガブガブ。いい気分。仕事関係だけど、酒の席だから、きいてしまえ!
「え、お2人ともモテそうなのに……なんでですかねぇ?」
「まさか! まったくもってモテない。オレの好きなタイプはさ、痩せてて抱きしめると骨も折れちゃいそうな子。と、A氏。100キロオーバー気味A氏は、意外なほど可愛らしい黒目がちな瞳をウルウルさせながら、語る。
「マジで!!まずナイな。その年でそんなこと言っていちゃ……」
私は思わず口にしそうになったが、唐揚げをほおばることで黙ることに成功!
さて、B氏はどうなのだろうか?
「この仕事を理解してくれる人だったら誰でもいい。誰でもいいんだけど、出会う機会も少なくてさ。しかもこの仕事してたらいつまで体が持つかわからないし。行く末は孤独死? とか思っちゃうんだよね。あ~、ヤダヤダ!」
B氏の言わんとしていることは分かるのだが、なんと切ない話だろう。決まった就労時間はなく、事件が起きれば4日は家に帰れない、風呂にも入れない。番組準備で会社泊まり込みの徹夜作業が週に2日ほどある。なかなか家に帰ってこない夫を前提で結婚してくれる女性は少ないんだそうだ。
「ぷは~。でも、お2人は素敵だから、きっといい女性は現れますよ。」と、ジョッキを空けつつ、ありきたりな返事をする。
「じゃあさ、友達紹介してよ~」
ヤバイ! 誤魔化すためのビールも空。から揚げも食べつくした! 返答に困る。
さすがに、一般的な幸せを願う私の女友達は紹介できない。ましてや、私も一緒になりましょう! とは言えない。困った!
「まぁまぁまぁ、仕事頑張りましょ! すみませ~ん!生おかわり3つ~!」 苦し紛れの追加オーダー。モテない男女の飲み会のビールは、少しほろ苦い。 神様、モテない男女に相の手ではなく、愛の手を!