<テレビウォッチ>テレビ朝日の「列島異変2008」。「ニッポン熱帯化の恐怖」とサブタイトルが付いていた。開局50周年の記念特別番組だそうだ。
渡辺宣嗣と小宮悦子、赤江珠緒が出演し、ほかに系列24局のアナウンサーが出てきた。アナウンサーたちがドキュメント風にさまざまな現象を伝えた。有名タレントを集めてきて面白おかしく、という今の流行りにおもねることなくまとめたのは素晴らしいと思った。
ゲリラ豪雨などいろんな話が出てきた。果物などの旬がおかしくなっている話では、山形産で有名なサクランボは、将来的に北海道が主な産地になるのでは、といっていた。ミカンやサツマイモも主産地が北上していくという。魚でも同様の話が出てきた。芭蕉が詠んだ句に出てくるセミの声を巡る異変も追いかけた。はっきりしなかったが、南のセミがやはり北上してきているらしい。屋久島で鹿が寒さで死ななくなったため異常に増え、杉の皮をたくさん食べて困るというのもあった。
名所旧跡を巡る話も登場した。富士山頂の雪が溶けたり、赤穂城の堀に真っ赤なシダの一種が異常繁殖したりしていた。
温暖化への警鐘を鳴らすまじめな番組で、しかもゴールデンタイムにタレント抜きでやったというのは珍しい。えらいとも思う。好感が持てた。知らなかった話も多く、テレビをみてよかったと思えた。こういう番組はもっとあっていいと思う。とはいえ、テレビ朝日開局50周年記念の冠はつける必要はなかったのではないか。視聴者にはどうでもいいことだし。なんとか記念特番、ではなく、もっと日常的にがんばってほしい。
亜熱帯と 化した日本に 来るゲリラ