<テレビウォッチ>トップは大阪・浪速区の個室ビデオ店で起きた悲惨な火災事故を速報で伝えた。午前3時ころ、雑居ビルの1階にある同店内から出火、15人が死亡し、10人が重軽傷を負う惨事となった。「死者はすべて男性」(消防署員)とのこと。
番組が用意した現場の図によると、手前にDVDの陳列棚が立ち、その奥に32の個室がズラリと並んでいる。入り口は2か所だが、何かあった場合、1つの入り口からしか逃げられないつくりになっている。しかも「清涼飲料水のダンボール箱が廊下にあって避難の妨げになった。個室の扉は完全にしまっていてほかの部屋で火事があっても気づきにくい構造になっていた」(現地記者)という。
急きょ、呼ばれた防災・危機管理アドバイザーの山村武彦は「密室状態で、短い時間に濃い有毒ガスが充満したのだろう。寝入っているケースが多く、逃げ遅れやすい」と話す。
赤江珠緒キャスターが「原因は?」と尋ねると、現地記者は「まだわかっていません」。
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)が「たくさんの雑居ビルは、ふだんは何もないので表に見えてこないだけで、ひとたび事があると問題点が見えてくる。野放しになっているのではないか」と指摘した。
すると、山村は「『歌舞伎町』(2001年9月1日、東京・歌舞伎町の雑居ビルで火災が発生し44名が死亡した。避難通路の確保が不十分であったといわれる)以前は、日中だけしか査察できなかったが、法律が改正されていつでも行けるようになって、警察、消防一体で査察できるのだけれど徹底していない部分がある」と説明した。
落合恵子(作家)は「お家をなかなか獲得できない人が、ベッドルーム代わりに使っているとすれば、辛いですね」とコメント。鳥越が「でも、ウイークデーの午前3時に誰が泊るんだろう?」と、ややKY的発言をすると、赤江が「タクシーで帰るよりも、という人が多い」と『注意喚起』。
被害者は、まさか自分が『歌舞伎町』の二の舞にあうとは思いもしなかったに違いない。痛ましい事故が繰り返された。