<テレビウォッチ>「犯人像につながるかもしれないひとつの証言がありました」。年がら年中、葬式帰りのような風采のリポーター、阿部祐二が深刻そうに告げる。千葉県東金市で保育園児5歳の遺体が遺棄された事件だ。
近くの住人の証言によれば、事件当時、騒ぎを聞きつけて、被害者の発見現場付近に行った。その際に駐車場を通ったが、被害者の衣服が入れられていたレジ袋は見なかった。ところが、帰り道には袋を見たというのだ。そこで、遺体が発見されてから30分ほどの間に、犯人が袋を置いたのではないか。そんな説を阿部は紹介する。
こういった事件の度に、人間の記憶や証言、不審者(車)がいかに当てにならないかを思い知らされるが、今回はどうか。コメンテイターのテリー伊藤は懐疑的だった。「ちょっと、分かんないですよね。現場に行くときは、目がそっちに行ってますから。帰りは冷静に見ていたのかもしれない」
「まあそうなんですけどね」と譲った阿部だが、後出しで重要証言を出してきた。「(最初はレジ袋がなかったと)証言しているのは2人いるんですよ。そのへんで、ある程度ボクらも信憑性を感じたんですね」
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト