<テレビウォッチ>佐賀市内で知的障害のある青年安永健太さん(当時25)が、警官に取り押さえられたあと死亡した事件。スパモニが何度も伝えているが、発生が昨年の9月25日。きょうが命日になる。目撃情報も無視して、いまもって警察は、暴行を認めていない。
健太さんは18時過ぎ、授産施設から自転車で帰宅途中だった。蛇行していたために、パトカーが歩道へあがるよう呼びかけたが、聞かない。交差点でバイクに追突した。
そこで、警官5人がかりで取り押さえたのだが、健太さんは心肺停止状態になり、19時20分搬送先の病院で死亡が確認された。家族が病院に駆けつけたとき、健太さんの顔ははれあがり、体は傷だらけだった。警官たちは、抵抗する健太さんを殴り、投げ飛ばしていたらしい。
知的障害者と知らない警官たちには、ただの反抗的な若者にみえたのだろう。しかし、健太さんにしてみたら、突然恐ろしい男たちに襲われたとしか思えなかっただろう。
現場前のファミレスにいた女子高生2人が、これを見ていた。警察にもマスコミにも証言している。しかしなぜか、警察の報告書には一切記載されておらず、あくまで「適法な保護行為だ」という。健太さんの伯母は、「投げ飛ばしたのも保護ですかときいたら、そうだと」という。
父親は今年1月、取り押さえにかかわった警官を、特別公務員職権乱用等致死容疑で佐賀地検に告訴したが、不起訴になった。「警官の行為と健太さんの死との間に刑法上の因果関係を認めることができなかった」という。「同じアナのムジナだ」と父親。
父親らの訴えを受けた民主、共産の国会議員5人が先月8日、現場を視察した。原口一博議員(民主)はすでに国会で取り上げていたが、この視察では、前後の説明をもとになにがあったのかを再現した。
しかし、スパモニの問い合わせに佐賀県警は、「12人の目撃者から聴取したが、2人の女子高生以外は、警官の暴行をみていない。女子高生からは、協力を得られないでいる」との回答だった。
しかし、実はもう1人目撃者がいた。交差点で信号待ちをしていた車の女性で、警官が殴っているところを見ていた。原口議員は「胸を殴っているというのが、死因と関係があるのかどうか検察医はわからないと言ってるが、なぜけがをしていたのかの答えが出ていない」と。
弁護団はいま、国会での審議と「付審判請求(裁判所への)」をすすめているが、後者が取り上げられる可能性はほぼゼロにちかいという。
こういう問題では、石丸幸人はいつも歯切れが悪い。今回も「司法がダメなら国会で。また、こうしてテレビなどで繰り返し問題提起していくことも必要」と。
赤江珠緒は、「警察は全くの突然死だというんですか」
高村智庸は、「まったくわかりませんと言ってる」
高知の白バイ死亡事故を思い出す。
赤江は「お父さんは、裁判の勝ち負けだけでなく、警察官の障害者への思いが変わることだといっています」といった。やっぱりそこだ。