<テレビウォッチ> 8時の番組オープニング。司会の小倉智昭が揚々と長話をはじめたとこへ、FNNニュース速報の字幕が「福岡・小1男児殺害事件で母親を逮捕へ」と冷や水を浴びせる。さらにオグラの話を遮って、佐々木恭子がこの事件に言及するなど、波瀾含みの展開である。
「こうなる可能性は、読めてたんですか?」。あまり気のない様子のオグラの質問に、取材を続けるリポーターは得々と答える。「第三者の犯行と考えると、納得のいかない点が多かった」。そして警察も母親の説明は不自然だと報道陣に公言するなど、早い段階から読めていたようである。
残るは我が子を殺すにいたった動機の解明。この点では「仲の良い家族だったという話しか聞こえてこない」とリポーターも首を捻るばかり。
「(動機は)いったい、なんだったのか――」。締めくくりに、事件における常套句を貼り付けたオグラだったが、その口ぶりには事件発生翌日に見せていたような熱はなかった。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト