「年食ってるわりに自覚ナシ。ヤバイよね」

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   お世話になっている某制作会社の女性プロデューサーと、ディレクターとで、またまた打ち合わせという名の食事会。

   今回は、表参道のお寿司屋さん。各々食べたいものを注文しては、舌鼓を打つ。お酒も入って、あ~極楽! な楽しい打ち合わせ。

   「あの女優さん、どうですか? この企画にハマりませんか?」

   小肌をほおばり、モゴモゴと提案する私。

   「あ~、あの人。崖っぷちだからね。仕事選べなくなってるでしょ、最近」

   サビ抜きかネタをひっくり返して確認しながら、プロデューサーがキッパリ。

   「確かに。彼女飽きられてきてるよね」

   ウニをペロっと食べてニンマリしながら、ディレクターもバッサリと斬る。

   「年食っちゃってるわりに、本人も事務所も自覚ナシ。ヤバイよね」

   ……なんとも恐ろしい会話の女子3人。こんな3人の女、男性はおろか、お店の人も声をかけにくいだろう。自分が何を言われるかたまったもんじゃない。

   しかし、女子3人にとって、そんなことはお構いなし。議論は白熱し、寿司もお酒も進む進む。

   「もう一軒いっちゃう?」と、3人が席を立った時、他の女性客と目が合った。しかし、さっと目をそらされた。おそらく私たちの会話を盗み聞きしていたのだろう。マスコミ関係の人は職業柄声が大きい。どうしても、話し声が店内に響いてしまうのだ。

   以前も、セックス企画について話をしていた際、隣にいた奥様グループが私たちの話に触発されたのか、奥様の1人が、実は若いヒモがいる他の奥様の話をし始め、多いに盛り上がっていた。

   さて、寿司を平らげ焼酎のボトルもすでに空けている恐怖の女3人組は、新たな憩いの場を求めて、カフェバーへとイソイソ。

   ここで、カクテルを1人6杯程、『ルネッサ~ンス』!

   しかしだ。どうしてこんなに飲食店には女性グループが多いのだろう? 寿司屋も深夜のカフェバーも、店内を見渡してみると、目に付くのは女性グループばかり。日本の飲食店を支えているのは、女性たちなのだろうか?

   深夜だろうがお構いなし!な女性たちは、よくしゃべりよく食べ、そしてよく飲む。しかしその結果、女同士でつるんで出会いのキッカケをなくしていく。

   そして、余りモノ同士、また深夜まで宴を繰り返していく。

   その悪循環の夜が、今宵もまた開かれる。

踊るオサムン
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