柔道メダルの色分けた 「親父」と「ママ」の差

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   <テレビウォッチ> 金メダルを獲得した日本人選手がいれば、惜しくも逃した有名ベテラン選手もいる。放送時間の長さで計るには、後者の進退問題のほうが価値が高いらしい。5回目の出場で銅メダルを獲得した柔道の谷亮子選手である。

年齢的な衰えを感じてるだろうし…

   柔道通の小倉智昭キャスターは「彼女も年齢的な衰えを感じてるだろうし、それを稽古で補おうとしても――以前とは試合運びが違っていた」と限界説を匂わす。

   だが、大胆不敵にも、メディアも大注目するスポーツ目利きである小倉様の御高説を否定する者が現れた。谷の後輩の元柔道選手で、プライベートでも親交があるというシドニー五輪銅メダリストの日下部基栄である。曰く、「柔道自体や、身体能力の衰えは感じない」

   それでは問題はなにか。「闘争心の部分。子供を産むと心が母性であふれ、優しい気持ちになるんですよ」と自分の経験をもとに日下部は語る。「人間としては大きく輝いて見えるが、勝負師としてどうなのか」

   次のロンドン五輪では36歳になる谷。「本人はやりたいという気持ちがあるそうです」とリポーターの田中大貴アナ。ただ、周囲にかける迷惑を慮っているのだそうだ。つまり主婦業、子育てへの影響ということらしい。

   一方、「金」をとった男子66キロ級の「1児の父」内柴正人選手は「親父の仕事をしっかりやりました」とインタビューに答えた。

   柔道は「親父の仕事」で、ママでは闘えないようだ。

文   ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト
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