「24年後の復讐」で元担任刺殺される 公務災害か

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   <テレビウォッチ>山梨・笛吹市で2年前(2006年)、高校教師が妻の見ている前で、元教え子に刺されて死んだ。傷は全身20か所に及ぶ失血死。犯行は、「教師の自宅で毒の入ったお茶を飲まされ、人生が狂った」という思いこみからだった。

赤江:教師の仕事とはどこまで

   裁判は当時の精神状態が争点になり、最高裁までいって8年の刑が確定し服役している。が、妻はなお、もうひとつの闘いを闘っている。地方公務員災害補償基金での公務災害の認定を求めたのだ。

   亡くなった教師(当時59)は、甲府クラブ(現J2)で監督を務めるなど、サッカー指導者としても知られていた。教え子との接点は事件当時から24年前、高校3年の担任のときである。問題の生徒は統合失調症を発症して、教師も同僚に「彼は心を病んでいる」と話していたという。

   卒業式の前日、生徒が自宅へ来たのも事実。卒業後も教師の転勤先までつきまとってもいた。木刀をもってとか、自宅を訪ねてきたこともあったという、が、教師は、他の卒業生と同じに接していた。警察にいうこともなかった。

   妻(54)は、「高校で担任していなければ、こういうことは起こらなかった」と考えている。しかし、同基金山梨県支部は、「公務とは認められない。公務外だ」と請求を棄却した。「個人的な怨恨」「卒業から24年」が根拠だった。

   妻は、同基金本部審査会に再審査を請求したが、08年5月棄却された。妻が闘うことになったひとつは、通夜の席に届けられた教育委員会の「退職発令周知書」だった。紙切れ一枚で終わり。それも殺害された日の日付。「夫の教師としての仕事は何だったのか」

   これで、スタジオが熱くなった。

   江上剛は、「過労死に関わったことがあるが、会社は退職金が出るから大丈夫ですよ、とそれで終わらせようとする。夫の尊厳を考えると、これは闘ってもらった方がいい」

   白石真澄は、「24年というが、何年ならつながっているといえるのか」

   鳥越俊太郎は、「この基金は、こういうケースのためにあるものじゃないのか。妄想の果てのことで不条理だからこそ」

   しかし、弁護士の石丸幸人は、「確立しているルールでは、個人的な恨みは公務とは関係ないとされている。因果関係を限定していくと、仕方がないのではないか。遺族の気持ちはわかるが」

   「でも、担任でなければこれは起こらなかった」と鳥越。

   石丸も、「別の枠で救済しないといけないかも」

   赤江珠緒は「問題のある生徒と関われば関わるほど……」

   小木逸平も「お金じゃないんでしょ。ちゃんと認めてもらいたいという」

   レポートの所太郎は、「それを受け止める受け皿は、基金しかないのではないか」

   赤江は「教師の仕事とはどこまでなのか。社会に突きつけた奥様の思いですね」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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