<テレビウォッチ>弱者に対する厚労省の規制のやり方は、あまりにも荒っぽ過ぎないか。
2006年の医療制度改革で、病院でのリハビリ日数に制限がかけられたことで20万人の患者が途方にくれ、難民化していると『朝ズバッ!』が取り上げた。
発端は、病院で無期限に受けられていたリハビリについて、06年4月から医療費を抑制するために、最大で180日間(重症患者は1部除外)までしか受けられなくなったこと。
医療機関の猛反発から昨07年4月には、医師から改善の見込みありと判断された患者は180日を超えたリハビリが可能になった。
また、今年4月からは180日を超えた場合でも医師の判断で1回20分のリハビリを1か月13回まで受けられるように緩和された。
医療福祉に詳しい淑徳大の結城康博准教授は「厚労省は医療費抑制のなかで、やむを得ず病気になったばかりの重い患者を重点に配分するしかなかった。で、基準を見直して徐々に緩和してきたのだが、なぜ180日かはよく分からない」という。
ところが、その緩和見直しも4月まで。厚労省は10月から、矛先を病院に変え、このリハビリについて成果主義を導入することに。
これはリハビリ患者の6割以上が退院しなければ診療報酬を引き下げるというもの。
現場の医師は、「この成果主義をやられると病院は、どうしても患者を選んでしまう。さらに人員削減し医療の質を落とすか、倒産するしかなくなる」と悲鳴をあげている。
毎日新聞論説委員の与良正男は「おカネがないのでドンドン削っている。確かに赤字を抱えているし。無駄に使ってきた結果、削らなければいけないのも確か。だけど、『聖域なく見直す』というセリフで、福祉の世界に手をつけてしまった。点検することは必要と思うが、成果主義はここには馴染まない」と。
ただ、単純に180日にバッサリ切ることが医療費抑制なのか。180日に切られたことでその後病状が悪化し、寝たきりになりになって医療費がさらにかかった患者もいるという。