<テレビウォッチ>また東北で地震だ。岩手・宮城地震から1か月余り、マグニチュードは6.8(前回は7.2)で、岩手・洋野町で震度6強、岩手全域と宮城の一部で震度5以上という強い揺れだった。
しかし、内容は大分違う。洋野町では「横揺れですね。時間が長かった」という。家屋の倒壊や大きな土砂崩れがなく、伝えられるのは、変電所の火災、水道管の破裂、壁の崩落くらい。心配された青森・六ヶ所村の核燃料再処理工場、宮城・女川原発なども異常がなかった。道路、鉄道も大丈夫のようだ。
これまでのところ死者はなく、けが人は120人、うち重症12人。揺れは大きかったので、落ちてきたモノの下敷きとかが大部分だ。
小倉智昭が、「先の地震と近いところなので、関係があると思ったのですが……」といったが、どうやら別らしい。
東大地震研の加藤照之教授は、「地震には直下型とプレートの境界型と2つあるが、今回は特殊なタイプで、プレートの深部で割れが起こった。だから揺れは広範囲に及んだが、余震は少ない」という。前回の震源は深さ10キロと浅かったが、今回は108キロと深い。
「とくダネ」では、前回地震の取材に向かっていた緒方昭一レポーターが、いち早く洋野町に入ったり、岸本哲也が地震発生後に東京を出て、前回被災地の栗原市に入ったりしていたが、途中の高速道路でも一般道でもまったく平常通りだったという。なんとなく、キツネにつままれたような面もち。
しかし、激震地の家の中はもうめちゃめちゃだ。従ってレポートもそちらが中心になる。「いやぁ、すごかった。命があればいいなと」という住民の声は切実だし、事実けが人の大半が、室内なのだが、それが一歩外へ出ると、平穏という奇妙な落差。
加藤教授は、「03年の宮城沖地震、(19)94年の北海道東方地震が同じタイプ」という。
眞鍋かをりは「ちょうど寝る前でコンタクトをはずしていたので、この時間帯に大地震に遭ったら大変だなと思った」
岩上安身は、「本を読んでたが、ニュースを見たらメディアが機能しているので安心した」
いつものオープニングもなしで、いきなり特番でスタートしたのだったが、これで1時間近く引っぱるのは、さすがの小倉もいささかしんどそうだった。