エド・はるみ師長…化粧濃すぎ……(Tomorrow)

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   とある港町、今日は七夕。その名も七夕どんつく祭り。どんつくって……。でもありそうだな、こんな名前のお祭り。昔は栄えたらしい町も今は活気がなく、青年部といってもみんな40代、マドンナは早苗(松田美由紀)だ。

   こんな町の市役所に勤めるジミな男、森山航平(竹野内豊)は元医者だが、8年前に患者を死なせてから医者をやめている。ある日、副市長(陣内孝則)から市民病院建て直しプロジェクト入りを命じられる。市民病院は赤字30億(!)、完全に財政破綻している。その尻拭いのために、市の財政自体が破綻寸前に追い込まれているのだ。

   総合病院のはずなのに医者は院長を含め、3人しかいない。外観は立派だが、病棟の半分以上が閉鎖されている。慢性的な医者不足。「もう32時間も休んでない」とヨレヨレの外科医、藪内(六角慎司)。今までよく知らなかったが、この役者がいい。注目!

   そこへ建て直しを頼まれて乗り込んできたのが、優秀な脳外科医にして経営学まで修めた遠藤紗綾(緒川たまき)。遠藤は、病院を建て直すには高い治療費が払える「セレブ相手の」循環器と脳神経科の専門病院にするしかないと言う。「セレブ相手の」というところが安易だよね。そもそも「市」の依頼で「市民病院」を建て直すのが任務のはずなのでは? これじゃ本末転倒じゃないの? エ? 依頼した副市長さんよォ、と凄んでしまう私。

   同じように「市民のための病院でなくなったら、ここを頼りにしている人たちはどうすればいいんですか!」と詰め寄るのが看護師の田中愛子(菅野美穂)。菅野美穂は珍しく真っ直ぐな役だ。

   しかし一方で、血も涙もない遠藤の言葉に納得する私もいる。「こうなっているのはこの病院だけじゃない。今の医療制度がおかしいのよ。このままでは医者が死ぬ」。「市民病院だから医療はタダで治してもらって当たり前、こんな甘えが病院をつぶす」。治療費の不払いは2億円。遠藤は、健康保険に入らず(保険料を払えず)治療費も払わないで居直る患者には、警察を呼ぶ。

   ここからは私個人の偏見丸出しで言うけど、みんな病院にすぐ行きすぎるような気がする。生きてりゃ、体に不具合を感じることだってあるのは当たり前、まして生物学的なピークを過ぎれば、それまでと同じわけにはいかないのは自然じゃないの? 大事に至る症状かどうか、少し自分と相談してからにしたら?「コンビニ受診」や救急車をタクシー代わりにする人もいると言うし。

   こう言うと、いつもみんなから「誰もがあんたみたいに丈夫で脳天気じゃないのよ。手遅れだったらどうするのよ」と白い眼で見られる。幼い頃はともかく、自分で判断するようになってから、私は骨折と虫歯以外でほとんど医者に行ったことがない。医者が嫌いで行くのが面倒だからだ。それでも、我慢できなかったり尋常ではないと思ったりすれば行くだろう。たしかに私は丈夫なほうではあるだろう。でもみなさん、そんなに病弱なのだろうか。

   現在の医療が抱える問題に正面から取り組もうとする姿勢がいい。遠藤VS田中の対決も単に悪玉対善玉の戦いには終わらないだろう。あ、それから、看護師長役のエド・はるみは化粧濃すぎ。

「Tomorrow」 TBS  日曜夜9時~

文   カモノ・ハシ
姉妹サイト