「ムダな施設は廃止!」 こうして国民はだまされる

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   <テレビウォッチ>ニュースやワイドショーですっかりおなじみとなった京都市の「私のしごと館」。仕事体験ができる施設で、雇用保険料をもとに独立行政法人雇用・能力開発機構が581億円で造り、運営している。が、年間10億の赤字を生じる「無駄遣いの象徴」でもある。

   昨2007年12月には、閣議決定によって、民間に委託した上で、1年以内に存廃を決める運びとなった。トサカ頭の渡辺喜美行革大臣が「廃止、決まり!」と雄叫びを上げ、「てっきり廃止されるものと思っていた」と番組で独法の取材を続ける玉川徹リポーター。

   ところが昨日(7月2日)、しごと館を訪れた舛添要一厚生労働相は「委託期間2年で入札を募集している」「つぶすのは勿体ない」。「1年内の決着」と矛盾するような話である。

   玉川が言うには、昨年の閣議決定がそもそも「思惑がまぜこぜ」(赤江珠緒キャスター)の現実味のない折衷案だった。「民間委託」は所管の厚労省側、「1年で決着」は渡辺側の思惑。それが「今になってやっと分かってきた」そうである。

   しごと館のコンテンツ自体は評価する向きもあり、建物も勿体ないから、民間に委託して様子を見る。そこまではいいとして、その期間が実質数か月しかないのでは、民間も乗ってこない。評価も難しい。結局、委託期間は2年になり、さらに延長も視野に入れているという。

   渡辺が「1年」を盾に「廃止、廃止」と気炎を上げる間に、厚労省の『現実』路線が着々と進んで「既成事実になっちゃうかもしれないですね」(玉川)。ピエロと狸の化かし合いは、狸に軍配が上がったようだ。

文   ボンド柳生
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