<テレビウォッチ> 「ミサイル発射情報。当地域にミサイルが着弾するおそれがあります」--きのう(6月30日)夕方、福井県美浜町の防災無線58基が叫んだ。むろん誤報で、町は10分後に訂正したが、「本当か」という問い合わせが50件もあったという。
笠井信輔がまた、一段と声を張り上げた。「美浜町といえば、拉致事件の現場であり、北朝鮮の工作員の上陸地点とされるところ。原発もある。そこへミサイルといえば、これはもう空襲警報です」と。
4年前にできた国民保護法に基づいて全国に整備されている「瞬時警報システム」の不具合を直しているうちに発信されたらしい。笠井は、「気になるのは、訂正に10分かかったこと。本物のミサイルだったら、間に合わない」という。
「もうひとつは、50人もが問い合わせていること。瞬時警報とは、ただちに行動しなくてはいけない警報。役場に確認するもんじゃない」
このシステム、国民の危機を察知したときに国としてなんらかの措置をとろうということらしいが、水害や地震、津波と並んで、ミサイル(テロもあるらしい)が入っているとは、どういう感覚か。
笠井は「テープに入っていることで、そういう危険にさらされているんだと分かるんだが」とそこはさらりと抜けて、「これはいい機会だった」という。警報を聞いて、町と住民はどう行動したか、原発は何をしていたか、安全策はとったかーー「人間行動学」を調査することができると。
竹田圭吾は、「原発だったら、隣接する県も一緒に動かないといけないし、そもそも衛星で確認するものだから、届く前に撃ち落とさないとダメ」
山崎バニラは、「だれがどう動いたかを、全国に知らせてほしい。地震なら隠れようとか考えられるが、ミサイルではどうしていいか分からない」
笠井は、「ミサイル情報は、3月にも岐阜・大野町で流れている。試験中だったので問題にはならなかったが、こんなことが続くと、『狼が来た』になってしまう」
いや「狼」うんぬんよりも、「ミサイル」の危機を災害と同列に考えていること自体が驚きだ。本物ならば、無線を聞いた人の大半は数分以内に間違いなく死ぬ、全く別の危機だろうに。現実の中の非現実。