1999年、山口県光市で発生した18才少年による母子殺害事件の差し戻し審判決が明日4月22日、下される。
被害者の遺族が声高に死刑を訴え、一方では、途中で変わった大弁護団が、加害者の殺意を否定して傷害致死を主張、死刑回避を求めるなど、大きな注目を集めてきた。最終公判を前にした会見で、現在の心境を述べた遺族、本村洋の9年間を、大村リポーターが報告、それを受けてスタジオ陣がコメントした。
1審での無期懲役判決後、「私の手で犯人を殺す」と涙ながらに語っていた当時の映像と、「あのときは不適切な発言をしました…明日の判決を厳粛に受け止めます」と落ち着いて話す姿を比べると、「9年の歳月を感じてしまう」(大村)のは確かだ。
といって、本村(彼)が、無期懲役を受け入れるというわけではない。「人を殺めた人間は命をもって償うべき」と考える彼が望むのは死刑である。ただ、大村によると、「それは日本の極刑が死刑だからで、無期懲役なら無期でいい」というのが彼の真意なのだそうだ。
小倉智昭「辛い悲しい9年間だったろうけど、だからといって、本村さんやメディアの意見によって裁判が動いてはいけない。来年からの裁判員制度発足にあたり、ポイントになる裁判で、微妙な判決になるでしょう」
ピーコ「本村さんがこれだけ声を出してきたから、被害者救済の道が開いた。その点で大きい。そして、18才ってもう大人。少年法だけによる判決に警鐘をならしたことでも意味がある」
小倉「死刑判決が出れば出たで、本村さんに死刑の重さがのしかかってくるでしょう」
松本大「被害者側の考えがしっかり出て行くのはいいことだけど、人に対する刑罰をどう決めるかのしくみは別。バランスをとった上で感情に影響されない、刑罰がなされるべきだと思う」
彼は今でもときどき現場の部屋を訪れるという。「2人の魂がそこにあるような気がして手を合わせる。思い出すし、恐怖心もあるけど、落ち着く気持ちもある」。
どんな判決になろうとも、彼の歩む道はこれからも平坦ではあるまい。