今日の番組で、ガソリンの暫定税率失効と並び、大きく取り上げられたのは「後期高齢者医療制度」。75歳以上になると一律に加入させられ、保険料は年金から天引きする。これまで家族の扶養に入っていた人もあらたに保険を支払わねばならないなど、高齢者の負担感は増すと見られている。
番組後半のコーナー「ほっとけない!」のVTRでは、年金で質素に暮らしている高齢者を取材。「年寄りは早く死ねってことでしょうか」「いまが精一杯で、先のことなんか考えられない」などの声が聞かれた。
キャプションをつければ「民の怒りの声」といったところだが、ストレートな怒りではなく、自嘲的な諦めムードであった。「お年寄りが明日を憂う。そんな制度以外、解決策は本当にないのでしょうか」とナレーションは結ぶ。
憂うだけでなく、行動に移す人もいる。司会のみのもんたは、病気、老老介護の疲弊、生活苦などを苦にした高齢者の自殺、無理心中が増えていると指摘すると、こう問いかけた。「この制度で国を救えるんですか?」
この保険制度になにか意味があるとしたら、長生きの「コスト」をあらためて周知徹底させることぐらいだろう。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト