きのう(3月25日)行われた中央大学の卒業式で校歌を歌う蓮池薫さん(50)の姿があった。蓮池さんが北朝鮮に拉致されたのは1978年、中大3年のとき。それから30年目に卒業式を迎えたわけである。スパモニでは鳥越俊太郎が昨2007年に行ったインタビュー映像を流した。
往時、蓮池さんが通っていた神田・駿河台の大学跡地周辺で思い出に浸り、通学路にあたっていた新宿では高層ビルを望む部屋で話を聞く。
鳥越「あちらでのことを夢に見たりしますか」
蓮池「夢には見ないです」
鳥越「拉致報道の番組についてはどう思います?」
蓮池「拉致への関心が薄まらないようにとして欲しいと切に思っています。残されている人たちのことを考えると、僕らの言うことが北当局に微妙な影響を与える可能性があるので、発言には慎重にならざるを得ない」
鳥越「蓮池さんたちの行動は、ウォッチされているんですか」
蓮池「もちろんです。リアルタイムで指導部に伝えられているでしょう」
鳥越「向こうでの生活は辛かったですか?」
蓮池「辛かった……将来が見えないですから。きつかった」
インタビューの感想を鳥越は、「『きつかった』には万感こもっていた。それだけに、大学生活を送っていた当時のアイドルが誰だったかといった話題になって、大学生の表情に戻るのを見たときは、取り戻せてよかったなあ、という気持ちになった」と語る。
新潟産業大学の非常勤講師として朝鮮語を教えている蓮池さんは最近、妻の祐木子さんと韓国を旅した。その際、飛行機から朝鮮半島の田野を見下ろした瞬間の心境を「そうだ、かの地の色だ。24年間、すべての自由を束縛されていた、かの地の色だ」とブログに綴ったという。
MCの赤江珠緒が、「拉致被害者のみなさんに、本当の意味で春が来るように願わずにはいられません」と言って締めくくった。