「やっていけない」地方の実態

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   地方が苦しい、苦しいといわれるが、その実情はどうなのか。財政再建団体になった夕張市の状況は大きな話題になったが、多くは目に見えないままだ。「朝ズバッ」が、珍しく重いテーマに挑んだ。

そりゃあつぶれますわね

   総務省が出した新しい財政の目安に、「実質公債費比率」というのがある。自治体収入のうち借金返済に充てられる割合のことだ。数字が大きければ財政状態は悪い。

   18%以上で借り入れに国の許可が必要な自治体が464と35%以上で財政再建団体に該当するものが3つある。夕張市は38.1%だったが、それ以上のところがあった。

   長野県王滝村の実質公債費比率は、42.2%だ。村役場の壁のひび修理も満足にできない状態だ。それはそうだろう。収入の半分近くを、返済にもっていかれるのだから。なぜこうなったのか。

   王滝村は御岳登山の玄関口。かつては、木曽ヒノキの林業で栄え、木材引取税とダムの固定資産税で豊かな村だった。中学生をオーストラリアへ研修に出したこともあった。1961年にできた「おんたけスキー場」も大いににぎわった。

   ところが、バブルの崩壊からスキー人口が激減。村はスキー客誘致にと過大な設備投資を続けたために、企業債の返還に追われる立場になった。

   当時の村長は「いまになって思えば、投資をひかえるべき時に投資してしまった」という。さらに、小泉内閣が進めた三位一体政策で、あてにしていた交付税が入らなくなったのが痛かったという。「地方への税源委譲で入るのが200万円で、カットされた交付税は5億なんですね。これじゃぁ、やっていけない」

   政府は今年に入って、戦後3度目になる赤字地方債の発行を認め、88自治体が 1984億円を借金した。借金を払うための借金だ。瀬戸晋王滝村長は「苦しいなんてもんじゃないが、自助でやるしかない」という。

   村の中心から離れた滝越地区に住む4歳の女の子が画面に登場した。保育園に行くにはバスで30分かかる。が、そのバスが廃止になってしまった。村営診療所も廃止。水道料金、保育料も値上げ。補助金はカット。しかし人口は1012人である。できることは限られる。

   みのもんたがため息をついた。「正直なご感想を」

   寺脇研は「子どもが生活できない、年寄りが生活できない地域をつくっちゃったのは、みんなの責任ですよ。バブルの時に尻をたたいた国にも責任があるし、それにのっちゃった地方にも責任がある」

   みのは「入浴施設に6億円、スキー場に128億円つぎこんで、客が来ない。そりゃあつぶれますわね」

   最後に、自治体の一覧を示して、ひとことやるところで時間切れになってしまった。折角意欲的なのに、こういう話を、最後に置いちゃいけない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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