住民の反対なんのその 国交省が造ると言ったら造るのさ
「税金をもっといいところに使ってくれ。ムダ!」
「住民のことを考えているんなら、進めないでください」
「住民無視せいって、だれに言われたんだ」
「反対があれば計画を練り直すのがあなたがたの仕事じゃないのか」
富山市内の国道8号線の渋滞解消にと、国交省が2.9キロ間の5つの交差点の立体化を計画した。これによって、早朝東行き9分、西行き6分の渋滞が解消されるという。しかしその工費がなんと230億円。うち195億円が道路特定財源だ。総工費は富山県の道路予算の63%にあたる。
先週2月27日に開かれた説明会では、賛成の発言もあったが、多数の住民が「渋滞なんか発生してない」「これだけ反対しているのに、進めようとしている意味がわからない」と猛反対。冒頭の発言も、その折りのものだ。
国交省の答えは「地域のことを考えて…ご理解をいただきたい」の一点張りだ。「地域のことなんて考えてないじゃないか」「だれが高架にしてくれと頼んだ」と怒号が飛んだが、国交省側はだまったまま。
国交省はなおも「答えさせていただいたので…手続きに入らせていただく」というので、住民は席を立ってしまった。「何のための説明会か、アリバイつくりのためみたいだね」
「朝ズバッ」の取材に、国交省職員が「きょうなぜ反対が多いのかわかりませんが……」といいかけると、住民の1人が「ちょっと待て、あんた。この人、ウソばっかりついてますよ。ぼくは(説明会)5回出ましたけど、いつも反対の人が多かった」
「朝ズバッ」がきのう(6日)朝現地を走ったら、確かに渋滞はあったものの、午前8時半を過ぎたら解消してしまった。
国道沿いの衣料品店経営者は「高架化で客が減るだろう」という。6年前隣の高岡市の店で同じ8号線の高架化で客が5分の1になった苦い経験があるという。「何の相談もなく、告知から3カ月で始めるとは乱暴な」と。また、コンビニや病院も、道路拡幅によってマイナス面が出ると、反対している。
あらためて、国交省の答えを列記した。
「過半数の同意をえられたと思っていた。あれほど反対があるのがわからない」
「最初は国交省からだしたものだ」(スタジオから笑い声)「国策として提案した」
「必要なら説明会を開く。が計画は並行して進める」
浅野史郎は「本当に求められているのか、予算をもっと有効に使う道があるのでは、という住民の声が重要。どこにお金を使うべきかというとき、道路特定財源だと、まず道路へいってしまう」
杉尾秀哉が「だれが頼んだのかだれもわからない、というあの言葉に象徴されていると思う。全国の10年間に59兆円の整備計画だって同じこと。国交省だけがわかってる」
みのもんたも「今ここを造らずに、他に使い道いくらもあるんじゃないかな」