福井県敦賀市の産業廃棄物処理施設をめぐるバトルを井口成人がリポート。
冒頭の映像で"ゴミ御殿"とも"迎賓館"とも呼ばれる豪華な住宅を見せる。問題の産廃に関わる業者の物件で、建物だけで5億円のシロモノという。
話は一転、本筋のバトルの説明になる。敦賀市が抱える日本最大級のゴミ山は東京ドーム1個分、119万立方メートルに及ぶ。1987年に開設されたが、収容予想規模の9万トンを超えて運ばれるゴミがどんどん積み上がったらしい。
敦賀市も福井県に搬入禁止を申し入れたが、聞き入れられず、環境省に訴えてようやく搬入が止まったそうだ。が、汚水が流れ出し、さまざまな有害物も沁み出している。しかも6年前には委託していた民間会社が経営破綻した(アタマで紹介した御殿は関連会社のものらしい)。
この汚水流出の防護柵工事に要する費用が102億円。で、ゴミを排出した全国の自治体に、費用負担を要請した。国が40億円、福井県が41億円、敦賀市が7億円を出すことになっており、残り14億円を、ゴミを持ち込んだ自治体に負担してくれというわけだ。いずれも税金が投入されることになる。
敦賀市の市民生活部長は「私どもは処分場3つを自前で造り、今3つ目の処分場で処分しています。(今回)問題となっているところへは敦賀は1トンも出していません。それでも7億円負担します」と、排出自治体が計14億円出すのは当然という口ぶり。
各自治体によって対応に差があり、新潟県上越市や千葉県松戸市などは「市に埋立地はないし、排出者責任の立場もあ
る」と、予算に計上しているが、「負担総額が不透明」として拒んでいる自治体もある。若一光司「福井県がなぜ動かなかったのか疑問。全国で342市町村が処分場を持っていなくて民間委託している現状では、最終責任がどこにあるのか明文化が必要だ」
江上剛「家庭のゴミは家庭で処理というところまで考えないといけない」
大澤孝征「排出者が応分に負担するのが自然だ」
室井祐月「みんなで助け合わないといけないと思うけど、福井県はどうして禁止しなかったのか」
大澤「行政責任を県はとらなければいけない」
なお、井口リポーターによると、委託を受けた民間会社が払った罰金は数十万円だったそうだ。「やり逃げ!?」(井口)というのもわかる気がする。