イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」衝突事件の真相が、なかなか明らかにされない。海上保安庁の究明ってそんなに時間がかかるものなのか。予算案通過をめぐってヤマ場を迎えている国会の動きを睨んでいるわけではないだろうが…。
事件当日、当直士官をしていた「あたご」の航海長を、海上保安庁の許可なく防衛省に連れ去って事情聴取したことがいま、石破防衛相の責任問題をめぐる最大の焦点になっているが、これについては政府内でも、海保を管轄する冬柴国交相からは不快感を示され、友党、公明党からも「捜査に影響を与え、疑念を持たれてはならないのは当然」(北側幹事長)と、苦言を呈されてと、批判の嵐。
この件についての、防衛省の対応がまた、いい加減というか、オソマツというか、情けない。
石破大臣の答弁が「内部調査とはいえ…」「結果論とはなりますが…」「必ずしも…」と、ほとんどが留保条件つきで歯切れが悪いし、会見での増田事務次官の応答が二転三転するのは論外として、「そういったことも排除できない」とか回りくどい言い方の羅列。ゴマカシをどう言い繕うのかに腐心している様がよくわかる。ここはスッキリ、ごめんなさい、と頭を下げるところではないか。
スタジオ陣からの怒りもおさまらない。
木場弘子「答え方が苦しい。とおる話じゃない」
大谷昭宏「事故の模様を最もよく知っている航海長を現場から呼ぶってのは、間違いなく捜査妨害、救護義務違反だ。ご家族に対して救護活動をきちんとしていると言えるのか。とんでもない話だ」
大谷の憤りはハンパでない。自身も言うように、航海長をタクシーの運転手、電車の運転士などにたとえて、「こんなことをしたら、捜査官は、運転者をどこへやった、すぐ呼び戻せ、そして、お前、証拠隠滅してきたろう、と即刻、逮捕だ」とあちこちの局で吠えまくっている。
村田晃嗣「防衛省は混乱している。今回のことだけではなく、イージス艦の情報漏れ、守谷前次官をめぐることなどが続いており、構造的な問題だ。解明して、組織を正してほしい」
大谷「国民の前に福田首相がきちんとリーダーシップをみせるべきだ」
山口一臣「すべて他人事ですものね」
あまり、期待できそうもありませんよ、大谷さん。