エレキ君
このほどまとまった在京キー局5社の07年9月中間期の連結決算を見てみよう。5社そろって営業減益となった。各社ともDVD販売など放送外収入を伸ばしたが本業の稼ぎ(広告収入)の減少を埋めきれなかった。
テレビ君
日本テレビはタイム、スポット広告とも3%減、番組改編に伴う制作費用の増加も利益を圧迫。通販事業やアニメの二次利用、イベントなど放送外事業は順調だった。このところ、日テレはこうした放送外事業に熱心だ。
エレキ君
セブン&アイや電通と組んで通販会社「日テレ7(セブン)」を12月に設立、来年4月からサービスを開始する。テレビ番組内で開発した独自商品などをインターネットの商店街で販売。セブン&アイが商品化に協力、店頭で商品が受け取れる。「メディアと消費の融合」がキーワードだそうだが、どっかで聞いた言葉。
アドバ君
TBSも営業減益だが東京エレクトロン株の売却が寄与して純利益は205億円と前期比54%増。フジテレビはテレビ広告収入が振るわず、通販や映像音楽事業、ラジオの子会社になったニッポン放送も苦戦した。テレビ朝日は放送事業が減益で、DVD販売など放送外事業の増加で補いきれなかった。
プレス君
フジの豊田社長は、さきごろ開いたアナリスト向けの説明会で不振の関連会社見直しを述べた。放送収入が低迷するなか、これまで手をつけなかった関連会社のリストラに乗り出す。視聴率好調なフジでさえ関連会社=放送外事業の売り上げにピリピリ、いまの民放を象徴している。
テレビ君
08年3月通期の決算も広告収入の先行きが厳しいので各局とも営業減益になりそうだ。いわれているようなインターネット広告の影響なのかどうか、はっきりしないが、民放経営を支えてきた本業(広告収入)の長期低落傾向は深刻。
プレス君
かといって、放送外事業という副業で本業を補うのは簡単ではない。護送船団、殿様商売できた民放にとって薄利多売のようなビジネスは苦手。高給与・高待遇を謳歌してきた民放テレビも曲がり角。「生き残る民放はTBS不動産」と語られるように賃貸収入で本業の穴を埋める、なんてのもありかも。