「わかっているだけで」とみのもんたが何度も繰り返したが、その金額は半端じゃなかった。3億4274万8697円。社保庁と市区町村の職員が、納付された年金保険料から横領・着服した額だ。「ポッポ(懐)に入れてた。これで、一部ですからね。国会で徹底的に白日の下にさらしてほしい」
社保庁がきのう(9月3日)、総務相の「年金記録問題検証委員会」に報告した調査結果だ。1962年の社保庁発足以来、社保庁で50件1億4197万円、市区町村で49件2億77万円。内容は保険料をポケットに入れただけでなく、でっち上げで年金給付を受けたり、医療保険での高額療養費の払い戻しまである。
スタジオには、長妻昭氏(民主)と山本一太氏(自民)が顔をそろえた。年金“月光仮面”で男を上げた長妻氏は「氷山の一角です。わかっているのに出さない。かれらは選挙で落選ということもない。が、(不始末をしたら)最終的には職を失うようにしないといけない」
山本氏は「省庁改革をやったから。やらなければ、これも出てこなかった」と弁明したが、「長妻さんの努力の結果。本来与党がやるべきことだ」と正直だ。が、何とも分が悪い。
「日本では(こうした不祥事を)与党が告発することはない。他の先進国では、当たり前のことなのに」と長妻氏はいう。国民のためなんて考えがないんだと。
山本氏は「はじめに話が出たとき、(自民党は)重大だと認識しなかった。官僚から『大丈夫だ』といわれて」と明快に話す。こういう率直な言動と、分が悪い論議にも平気で出てくるところが、かれの人気の理由なのだろう。
「国民の安心のために、なんとか一本化した年金制度にしてほしい」というみのの訴えに、長妻氏は「まず『百年安心プラン』の旗を降ろすことだ。これが舛添さん(厚労相)の仕事だろう」と。
にしても、今回の結果がどうして出てきたのかが、いまひとつわからない。納付した側が知らなければ、また不正に受給した側が黙っていれば、本来わからないはず。まだまだ闇の部分が拡がっていそうだ。