社保庁と自治体の職員による年金保険料や給付金の着服が、1962年の社保庁発足以降、約3億4000万円。とくダネ!のスタジオはこんな数字はまったく信用しない。
この数字はあくまでも判明したものに限られているからだ。
笠井信輔アナが「社保庁が自発的に公表したのは50件のうち24件、刑事告発したのは27件。15件については警察に告発の相談もしていなかった」と朝日新聞の記事を引用する。
――テレビの情報番組では、当たり前のように新聞記事を読みあげるだけの進行が多くなった。自局にも政治部やら社会部があるだろうに、映像付きのニュースのほかは新聞報道頼り。最近は<新聞の焼き直し報道の多用>が気になる。
新聞社が引用はダメ!といったらワイドショーは成立しなくなる。それはともかく。
「3億4000万円ばかりじゃない。洗いざらい調べたらこんなもんじゃないんでしょう」(小倉智昭)
「これは単なる氷山の一角に過ぎない。刑事告発も公表もしていない例がいかに多いか。いま総務省が識者7人で年金問題検証委員会で調べていますが、それとは別に検察、警察が独自に機関を立ち上げて調査してもらう必要がある」(ニューズウィーク編集長・竹田圭吾)
あえて“ネコババ社保庁”といおう。5千万件の年金記録を消失させた役所だ。自分たちの“ネコババ記録”なんかは残っているとは思えない。
ここで笠井信輔。「社保庁は一応、これ以上はたぶんないでしょう、といっています」すぐさまスタジオは一様に反応する「ありえないよ」
「もっといっぱいやってる気がする。警察沙汰にならないで、ぬけぬけと高い退職金をもらってやめてるんでしょ」(室井祐月)彼らの高笑いが聞こえてきそうでハラが立つ。
「人の年金を何だと思っているんでしょうね」笠井も同調した。