「安倍政権ノー」の審判が下った参院選。一夜明けた7月30日の安倍政権の内実を特集した。そこからは、政権政党を維持してきたおごり、その結果著しく活力が低下している自民党が透けて見える。
『とくダネ!』は30日、ネットによる1000人アンケート調査を実施したが、「辞任すべき」が62.5%に対し「しなくてよい」が37.5%。また、「民主中心の政権」を望む54.9%に対し「自・公連立」が28.5%だった。解散・総選挙については「できるだけ早く」42.7%、「今年中に」25.2%で、合わせて68%の人が早期解散・総選挙を望んでいる結果が出た。
だが、このような世論を無視するかのように、安倍首相は30日の記者会見で「反省すべきは反省する」とあらためて続投を表明した。会見の一部を再現すると……
記者「どういう点を反省するのか」
安倍「年金不信を払しょくする努力が足りなかったと」
記者「『内閣の基本路線はご理解いただいている』とはどういう根拠からか?」
安倍「聴衆の反応でそう感じた」
キャスターの小倉智昭が「堂々とはぐらかすのも総理大臣の資質なのですかね?」と、物足りない答弁に憮然。安倍首相の続投発言に自民党の派閥の幹部たちが即座に「支持」を表明したことにも解せないといったふう。
この疑問に政治アナリストの伊藤惇夫氏が「自民党は今モノを考えたくない。放心状態なんです。(オレがやるという)人もいない。だから挙党一致といういしかない」と応えた。
カメラ撮影しないという条件で、『とくダネ!』の記者に語ったある自民党議員は「(安倍首相は)自分が最低なのに、自分より下のやつばかり集めている」とののしり声も。
番組には視聴者から「短期間で首相を変えるべきでない。海外への示しがつかない」という安倍擁護論?が寄せられたが、小倉は「辞任しないのも海外に恥をさらすという意見だってありますよ。代りの人がいないというより、今やりたくないだけでしょ?」。
活力を喪失し、底力をなくした自民党の凋落が見えてくる。