またもや閣僚の事務所費問題。こともあろうに今度は、同様の問題が指摘されて自殺した松岡前農水相の後釜に座った赤城農水相である。安倍首相にとっては青天の霹靂、悪夢の再燃だったに違いない。今度こそは任命権者としての「資質」が問われる。
番組は、茨城県筑西市の赤城氏の実家を直撃。リポーターの大村正樹が7月8日に「お城の石垣に囲まれた」ようだという実家を訪ね、赤城氏の母親にインタビューした。
Q 「事務所として使われたことはなかったのでは?」
母親 「事務所はやってました」
Q 「では事務所はどのあたりに」
母親 「まあ、全体です」
Q 「事務機器などはあったんですか?」
母親 「コピー機などは別の場所に持っていきました。まあ、曖昧ということではないんですが...」
前日7月7日の報道陣の取材に母親は、「(赤城氏の祖父)宗徳の時代には会合などをやっていたが、徳彦の時代になってからやっていない」と話したばかり。普段ウソをついたことのない人が、突然の状況変化で返事に窮し、戸惑いやら困惑やらが見てとれて、痛々しい。
一方、安倍首相は7月8日のフジテレビ『報道2001』で、罷免を求める野党に「光熱費800円で辞めさせるのですか」と、中身のない反論を試みた。キャスターの小倉智昭は「売り言葉に買い言葉なのでしょうが、あの発言は問題……」。
なぜ問題なのか小倉は説明すべだったが、生出演した政治アナリストの伊藤敦夫が引き取って「(光熱水費の)金額が(年によって)大きくブレているのが疑問です」。報道によると、この800円は過去10年で最も少ない05年の9660円を月割りのした分。最多の99年132万円だと月割り11万円になる。
これだけ事務所費問題が注目されている最中に、なぜ分らなかったのか。伊藤は「当然"身体検査"をしているはずですが、地方の分については(調査が)行き届かなかったのかもしれませんね」
危機意識の欠如、その場しのぎ、脇の甘さ・・・安倍政権はもはや末期的症状といえる。