「スモーキン・エース / 暗殺者がいっぱい」
殺し屋たちの壮絶な撃ち合い、胸すくクライム・アクション

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   洋画には大抵、日本人観客に向けての邦題が付けられている。いつもピンと来ない題名だが、今回は簡単明瞭でイイ。タイトルどおり、100万ドルの懸賞金につられて暗殺者がこれでもかこれでもかと、ゾロゾロ名乗りをあげる。暗殺者同士が入り混じり展開するバイオレンスで、タランティーノやガイ・リッチーをまとめて丸めて弾丸にして爆発させたかのようなクライム・アクションだ。人気マジシャンがマフィアの真似事をして裏切った末に本物のマフィアから命を狙われる物語。出演者たちは本物に見えるよう、銃やマジックの訓練をしたそうだ。

(C)2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2006 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

   殺しのターゲットにされるマジシャンのエースを演ずるのは「ラッシュアワー2」のジェレミー・ピヴェン。FBI副長官にアンディ・ガルシア、捜査官にレイ・リオッタとライアン・レイノルズ。保釈保証人にベン・アフレックが扮する。ミュージックシーンからはアリシア・キーズとコモンが映画デビュー。監督は、トム・クルーズから「M:i:III」の監督をオファーされたが断って本作の脚本と監督をしたというジョー・カーナハン。ジョージ・クルーニー主演の「L.A.コンフィデンシャル」続編の脚本の予定があるというから今後目の離せない存在だ。

   ラスベガスのMGMホテルのショーを満員にする人気絶頂のマジシャン、エース(ピヴェン)。マフィアのボスのスパラッザ(J・ラスキン)たちに可愛がられているうちに、自分もギャング気分になり独自の組織を作った。が、付け焼刃で強引なやり方が裏社会に大混乱を引き起こし、遂にはエース自身が逮捕される。FBI副長官のロック(ガルシア)から司法取引を持ちかけられ、一時的に保護されてカジノ・ホテルのペントハウスに隠れる。証言すればスパラッザに命を狙われるのは目に見えているし、このままでは終身刑は確実だ。スパラッザが自分のクビに100万ドルの懸賞金をつけ、殺し屋を雇ったとも知らず、思案に暮れるエース。懸賞金の情報は洩れ、金目当ての殺し屋があちこちからゾロゾロとホテルに集まる。FBI捜査官のメスナー(レイノルズ)とカラザーズ(リオッタ)もまた、エースの保護のためホテルに車を走らせる。

   とにかく絵作りのキレが良い。アクションもシーン展開もテンポ良く、カメラワークも迫力がある。なんでもかんでも思い切りぶち切れて、胸のすく映画だ。放たれた弾丸の数は史上最高なのではないかと思われるほど。ラストはあまりの壮絶な撃ち合いに、唖然とする。その大胆さは筆舌に尽くし難く、是非劇場でご覧頂きたい。殺されかけた殺し屋の一人が助けを求めて入った家の子供までもが、かなりのワル振りで笑える。

恵介
★★★☆☆
スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい(SMOKIN’ ACES)
2007年アメリカ映画・UIP配給・1時間48分・2007年5月12日公開(有楽町スバル座ほか全国ロードショー)
監督・脚本:ジョー・カーナハン
出演:ベン・アフレック / アンディ・ガルシア / アリシア・キーズ
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