さよなら、大好きなニホン。強制退去処分をうけてイラン一家が帰国。短大に入学して保育士を目指す長女マリヤムさん(18)ひとりを残して。ドラマチックな涙の別れ・・・
スッキリ!!は「最後の一夜」に独占密着して、ドキュメンタリーに仕上げた。翌日には言葉も文化も違うイランに向かうニホン生まれの次女が、せっせと小学校の宿題に取り組んでいる。痛々しい。
ニホンで一番好きな言葉は?「ありがとう」と父親。「完璧な言葉だと思いますね」。次女は「あきらめない」と答えた。これに父親は「いい言葉だね。ぼくもあきらめないよ」淡々とした口調で「17年間、お世話になりました」
一家はイランに戻ってまずは親戚に家に身を寄せる。仕事も次女の学校もすべて白紙の状態だ。決まっているのは長女が夏休みに‘帰省’して再会する・・・それだけ。
出国直前の成田空港。号泣する長女に「泣いちゃダメだよ。終わってないよ」と悟す母親。次女とともに髪の毛を隠すスカーフ(ヘジャブ)を巻いて4分の3の家族が旅立った。
「なんとか特例で残したかったね」と加藤浩次。これに弁護士の八代英輝がいう。
「裁判はスジを通すしかなかった。でも行政はこれだけニホンに愛着を持っている人には、思いやりのある判断をしてもいいのでは・・・」
不法残留といっても実に17年。定住して善良な市民として暮らしていた。‘大岡裁き’があってしかるべきではないのか。
文
初代不良家