「政治とカネ」の問題は、ワイドショーにとって近海本マグロ級のネタだ。政治家が“庶民感覚”からかけ離れた額のカネを不透明に使っている。「国民のみなさん、許せますか?」(みのもんた・庶民代表)というわけだ。
テレビ的には、悪代官っぽい政治家が突っ込みどころ満載の答弁をしている映像があると、きわめて理想的。そういった意味では、昨日の松岡利勝農水相を超えるキャスティングはそうないだろう。
松岡は光熱・水道費タダ(!)の議員会館に事務所を置いているのに、彼の資金管理団体は05年の事務所費のなかで、507万円の光熱費を計上していたとのこと。「おかしいじゃん」と質す民主党議員に対して、「(水は)ナントカ還元水を使ってる。暖房も別途…」などと答えた。
あまりのバカバカしさに、今日のコメンテイター、民主党の河村たかしが「すぐバレるような嘘をついて…正直というか」とニヤニヤしながら同情!?するほどであった。
「冗談じゃない」「腹が立ってきた」。みのもブチぎれた。なにしろ、応援する安倍首相の立場を危うくする獅子身中の虫である。
「議員会館でどれだけ水飲んでるの」と大臣を一喝。そこまではよかったが、「水道局がどれだけ努力して、おいしい水をつくってるか(知ってるのか)」と水道局をほめはじめた。
日頃、お世話になってる水道局をこの機会に持ち上げておこうと思ったんだろうか。いずれにしても、振り返ってみるとよくわからない展開であった。
文
ボンド柳生