今日の『スーパーモーニング』は、特集でまたも夫バラバラ事件の続報。ここで取り上げるのも気が引けるほどの連日連夜の報道だが、今朝の狙いは、夫婦共通の友人と三橋歌織容疑者の会話を記録した85分間にわたるテープの中身。「まだ放送に使ってない部分の中に事件の本質に迫る部分があるようです」と渡辺宜嗣アナ。
電話の会話は、犯行がまだ発覚していない状況の中で行われている。だから歌織容疑者は行方知れずの夫を心配している風を装うのが自然なのだが、放送された中身は夫への悪口ばかり。それほど憎悪が募っていたというのが、渡辺の言う「本質に迫る部分」なのだろう。
では、まったく特異な事件なのかというと、実はそうでもないようだ。2005年までの過去5年間に起きた妻による夫殺しのデータが物語る。警察庁の統計では、『夫による妻殺し』は60件から80件台で推移しているのに、逆の『妻による夫殺し』は毎年100件を超えているのだという。2005年度、妻が夫を殺した事件は120件。この仰天の数字に、渡辺アナは「夫である我々は妻によって3日に1人ずつ殺されている」。
漫画「だめんず・うぉ~か~」の作者・倉田真由美はインタビューで、「一旦こじれると、夫婦は特別な憎しみを育てるフィールドだ」とコメント。ゲストの大沢孝征弁護士も「妻による夫殺しは粗暴的なのが多い。人間を物体に変えるには相当のエネルギーが必要で、それだけ憎しみが大きいということだ」。
家庭では夫は無防備、妻の憎しみをかうことだけは気を付けようという警鐘番組だった。
「子供に性的関心を持ち、そのために先生になる…」
女子生徒4人にワイセツ行為をしていた中学校の音楽教師(30歳)が青少年保護育成条例で逮捕された事件を取り上げた。またかという感じだが、この教師は「感情を抑え切れなかった」というから病的だ。
昨年8月に、教え子とドライブに行くなどして地元教育委員会から指導を受けた。しかし、10月には再び女子生徒1人と親密な関係になっているのが発覚。これを契機に教師は中学校を依願退職したが、実はこの間に別の13歳から14歳までの女子生徒4人とホテルなどでワイセツ行為をしていたことがわかり、ようやく御用となった。
ゲストの萩谷順・法政大学教授は「一番怖いのは、子供に性的関心を持ち、そのために先生という職業を選んでいる教師がいるのではないかということだ。実際、現場の教師に聞くと、それはあるという。それならば、教師採用時点で適格審査をしなければいけない」と指摘する。
苦々しい話だが、それが教育の実態ならやむを得まい。
総務省のNHK受信料義務化の動きを取り上げた。「2割値下げする代わりに義務化しよう」という総務省の案に、義務化反対の東大・醍醐聰教授と義務化賛成の東洋大の松原聡教授が激論。と、言いたいところだが両者はただ自分の主張を述べるだけで終わってしまった。同業で持ちつ持たれつの部分もあり民放はなかなか取り上げないようだが、NHKの受信契約自体に正当性があるのか疑問もあり、番組内容にも今一のところがある。改正法案が通常国会に提出される前に一度本格的に取り上げるテーマと思うが。