国際セミナー「海面上昇と気候変動適応: フルマーレの事例と移住政策」を共催
記事配信日:
2025/03/12 11:00 提供元:共同通信PRワイヤー

2025年3月12日
公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団
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公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(所在地:東京都港区、理事長︓中山幹康、略称:日本GIF)は、2025年2月19日(水)モルディブ・マレ(Crossroads Maldives)にて、「海面上昇と気候変動適応:フルマーレの事例と移住政策」と題した国際セミナーを、公益財団法人笹川平和財団(SPF)、モルディブ国立大学(MNU)、モルディブ住宅開発公社(HDC)と共に開催しました。
開催概要
本セミナーは、モルディブやその他の小島嶼開発途上国(SIDS)における気候変動への持続可能な解決策を見いだすため、政策立案者、研究者、実務家が一堂に会する重要な場として開催されました。
セミナー冒頭では、最初にSPF社会イノベーションプログラムディレクターの松野文香氏が、次に駐モルディブ日本国大使の石神留美子氏、続いてモルディブ気候変動特使のアリ・シャリーフ氏がそれぞれ挨拶されました。
その後、モルディブと日本の研究者4名によるプレゼンテーションとパネルディスカッションが行われました。3時間半にわたった本セミナーは、気候変動適応と移住に関する多角的視点を提示し、モルディブでの課題を浮き彫りにしました。また、コミュニティ主体の取り組みと国際的連携が、今後の政策立案には不可欠であると結論づけられました。
セミナー要旨
1.開会挨拶/松野文香(SPF)
モルディブの諸機関と連携し、移住に関わる課題や適応政策に取り組んでいる現状など、SPFの活動を紹介。気候変動適応における国際的連携と地域社会重視の重要性を訴求
2.大使挨拶/石神留美子(駐モルディブ日本国大使)
日本とモルディブが長年にわたり築いてきたパートナーシップ、特に気候変動適応の分野における協力を強調し、日本が今後も支援を続ける決意を再確認
3.気候変動特使挨拶/アリ・シャリーフ(モルディブ気候変動特使)
移住を単に必要な措置ではなく、地域社会の強靭性を高める機会としてとらえるべき。インフラ整備が不可欠である一方、移住・再定住に伴う社会的・心理的影響にも配慮すべきであると強調
4.プレゼンテーション
4-1.「環礁国における気候変動適応オプション」中山幹康(日本GIF理事長)
環礁国の適応戦略に関する複数年の研究成果を発表
・「留まる権利 (Right to Stay)」と「移住する権利 (Right to Move)」のバランスを念頭に置き、国内移住、国外移住、現地適応、浮体構造物といった適応策の選択肢を比較
・マレ近郊の人工島「フルマーレ」の造成を効果的な現地適応の例とし、文化的配慮と物理的適応の両立を提案
4-2.「モルディブにおける気候変動適応戦略」イブラヒム・モハメド(MNU環境・気候変動部門代表)
モルディブにおける海岸侵食対策、防波堤建設、フルマーレ造成事業の進捗を報告
・コミュニティネットワークを維持しつつ、島全体を移転させるのは困難。特に、高齢者の故郷への愛着は、自発的な移住を阻む要因
・物理的インフラと社会文化的配慮を統合した適応計画の必要性を強調
4-3.「フルマーレ住民の生活満足度と移住動機」アフメド・アスラム(HDC代理最高商務責任者)
フルマーレに移住した住民298名を対象とした調査結果を共有。主な発見は、
・手頃で新しい住宅や、医療機関、教育施設へのアクセスが移住を後押し
・マレ出身者は、より清潔な生活環境や整備されたインフラによってフルマーレ移住後の満足度が高いが、他環礁出身者は、文化的順応やコミュニティ統合に課題を感じている
・インフラの整備だけで移住政策は完結せず、社会統合が長期的課題
4-4.「気候変動文脈におけるフルマーレへの自主的移住動機」前川美湖(SPF上席研究員)
フルマーレへの潜在的移住者の視点から、自主的移住動機に関する最新の研究を提示。主な内容は、
・より良い雇用機会と安心して暮らせる環境を望む声がある一方、文化的なつながりや伝統的生業を失うことへの恐れが強くある
・移住に関する物理面と社会面の両方を考慮し、住民参加型の計画を行うことの重要性を強調
5.パネルディスカッション
モデレーター:
前川美湖(SPF上席研究員)
パネリスト:
アリ・シャリーフ(モルディブ気候変動特使)
イブラヒム・モハメド(MNU環境・気候変動部門代表)
アフメド・アスラム(HDC代理最高商務責任者)
中山幹康(日本GIF理事長)
高城元生(JICAモルディブ事務所支所長)
主要議題:
・移住と文化保存の両立
・経済支援と住宅確保の重要性
・環境配慮型インフラ整備
・国際機関との連携強化
結論:
移住政策の立案には、文化的・経済的側面を包括した持続可能な取り組みが必要であるとの共通認識を確認
6.閉会挨拶/アーシャ・シェヘナズ・アダム(MNU副学長)
参加者への謝意を示し、今後も学界・政府・国際パートナー間の連携を推進する必要性を訴求
セミナー概要
主 催: 公益財団法人笹川平和財団(SPF)
日 時: 2025年2月19日(水)9時~12時半
名 称: 国際セミナー「海面上昇と気候変動適応:フルマーレの事例と移住政策」
共 催: モルディブ国立大学(MNU)、モルディブ住宅開発公社(HDC)、公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(日本GIF)
開催場所: モルディブ・マレ(Crossroads Maldives)
参加人数: 65名
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