新型コロナウイルスの感染拡大を受け、手洗いの重要性が再認識されている。そうした中、ツイッター上では手を洗おうと入った駅のトイレにハンドソープが設置されておらず、苦労したという声が多く聞かれている。
鉄道各社の対応ぶりを、取材した。
飛沫感染による主な感染場所に「満員電車」
首相官邸の公式サイトにある「感染症対策特集」のページは、新型コロナウイルスに感染するうえで、くしゃみや咳と一緒に放出されたウイルスを吸い込む「飛沫(ひまつ)感染」と、物に付着したウイルスを手で触って取り込む「接触感染」の2つが現時点で考えられるとしている。
同サイトでは飛沫感染による主な感染場所として、満員電車を挙げている。つり革などからの接触感染リスクもあり得る。予防策は石けんを使ったこまめな手洗いだが、電車を降りた駅のトイレの洗面所にハンドソープがなければ、すぐ対処できない。ツイッター上ではこうした状況に直面したユーザーから、
「こういう時期なんだからトイレにハンドソープ置いてください」 「運賃10円上げていいから駅のトイレにハンドソープつけてほしい」
との声が相次いでいる。
J-CASTトレンドが首都圏の一部鉄道各社に取材にすると、駅トイレのハンドソープの設置状況に差がみられた。
東京メトロ、都営地下鉄は全駅設置
例えば、都心に駅が多い地下鉄。東京メトロは利用者や社員の提案を受けて2012年度からハンドソープの試験設置を開始し、13年度からは設置が標準仕様となった。現在では全駅・全箇所に置いている。東京都交通局(都営地下鉄)も管轄する全ての駅にハンドソープを設置済みだ。
私鉄はどうだろうか。東横線、田園都市線など複数路線を持つ東急電鉄は、目黒線目黒駅を除く全ての駅にハンドソープを備えている。東急の広報担当者によれば、その目黒駅も今後の改修工事により設置予定とのことだ。
一方で、小田急電鉄は設置駅が全70駅中9駅にとどまっている。小田急の広報担当者は、過去には壁や洗面台に固定するポンプ式の石けんを設置していたが、故障が多発したことから撤去を進めたと話した。それでも、今後は各駅の改良工事に合わせ、洗面台と一体型になった「オートソープ」の導入を進めていくとしている。