第一生命保険は2016年5月23日、"サラ川(せん)"として知られる「第一生命サラリーマン川柳コンクール」の第29回の投票結果を発表した。今回は3万9551句の応募があり、その中から同社選出の100句が投票対象となった。2月17日から1か月間に11万2595票が集まり、票数の多かった順にベスト10が決まった。
栄えある1位に輝いたのは――元自衛官(60歳・男性・神奈川県)が投稿した次の一句だ。獲得票数は6305票。これは2位を2000票以上上回る大差だった。
「退職金 もらった瞬間 妻ドローン」
あらゆる場所に飛んでいける「ドローン」と、姿をくらます「どろん」をかけ合わせた点が光る。熟年離婚の増加傾向を反映していると言うべきか、それとも夫以外の仲間と旅行に出かける妻の活動的な一面をコミカルに表現しているのか――。いずれにしても夫の悲哀がヒシヒシと伝わる。
サラ川は「時代を映す鏡」
2位~10位には次の川柳がランクインした。例年は時事キーワードを盛り込んだ作品が多数含まれるが、今年は日常にあふれる出来事をユーモラスに描写するものが目立った。それでも世相を感じさせるのはさすがだ。
2位「じいちゃんが 建てても孫は ばあちゃんち」川享
3位「キミだけは オレのものだよ マイナンバー」マイナ
4位「娘来て 『誰もいないの?』 オレいるよ」チャッピー
5位「福沢を 崩した途端 去る野口」サイの京子
6位「カーナビよ 見放さないで 周辺で」トラ吉ジイジ
7位「決めるのは いつも現場に いない人」七色とうがらし
8位「妻が見る 『きょうの料理』 明日もでず」グルメ老
9位「ラインより 心に響く 置手紙」豆電球
10位「愛犬も 家族の番付 知っている」ワンワンマン
スマホアプリ「サラリーマン川柳」では、歴代サラ川ベスト10作品や、「上司・部下編」、「夫婦・家庭編」などの7つのテーマに分けた作品集を見られる。ダウンロードは無料。