煙管、高下駄...伝統を現代へ レディー・ガガも注目する気鋭のアーティスト・舘鼻則孝さんが展覧会

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   レディー・ガガも愛用する「ヒールレス・シューズ」を手掛けるなど国際的に活躍する、気鋭の日本人アーティスト、舘鼻典孝さん(30)が2015年12月9日、東京都文京区にある旧細川侯爵邸の和敬塾本館で一日限定の個展「面目と続行」を開いた。

   舘鼻さんはブランド「NORITAKA TATEHANA」のデザイナーを務め、そのアート作品は国際的にも評価されている。今回の展覧会では、宮本武蔵の『五輪書』にもある「五大思想(空・風・火・水・地の5要素から世界が構成されているとする)」をテーマに、約30作品が出展された。

  • 「Theory of Elements」。本体となる煙管
    「Theory of Elements」。本体となる煙管
  • 「Theory of Elements」。煙管を収める箱とセットになっている
    「Theory of Elements」。煙管を収める箱とセットになっている
  • 高下駄をモチーフにした「フローティング・ワールド」
    高下駄をモチーフにした「フローティング・ワールド」
  • やはり高下駄がモチーフで、舘鼻さんの代表作である「ヒールレス・シューズ」
    やはり高下駄がモチーフで、舘鼻さんの代表作である「ヒールレス・シューズ」
  • 「TRACE GF CONTINUING HISTORY」。舘鼻さんの骨格をスキャンして作られた
    「TRACE GF CONTINUING HISTORY」。舘鼻さんの骨格をスキャンして作られた
  • 「Theory of Elements」。本体となる煙管
  • 「Theory of Elements」。煙管を収める箱とセットになっている
  • 高下駄をモチーフにした「フローティング・ワールド」
  • やはり高下駄がモチーフで、舘鼻さんの代表作である「ヒールレス・シューズ」
  • 「TRACE GF CONTINUING HISTORY」。舘鼻さんの骨格をスキャンして作られた

五大思想を組み込んだ「現代の煙管」

   中核となる作品が、「現代の煙管」として制作された「Theory of Elements」だ。銀と金で作られた煙管本体と、これを収める八角形の箱が対となっており、さらにこれが空・風・火・水・地に合わせて5対でセットになっている。

「煙管というのは喫煙具である以上に、ファッション的なアイテムに近いような感覚があると思うんです」

と舘鼻さんは「煙管」への印象を語る。やはり花魁のアイコンである「高下駄」をモチーフに生み出された「ヒールレス・シューズ」「フローティング・ワールド」をはじめ、この日の個展には、こうした日本の伝統的な美・思想を取り入れた、あるいは実際に伝統工芸の職人とコラボレーションした作品が多く出展されていた。

   「TRACE GF CONTINUING HISTORY」も、富山県高岡市の鋳物工房と協力して誕生した作品だ。真鍮造り、等身大の「骸骨」像であるこの作品は、舘鼻さん自身の骨格をスキャンして制作された。東日本大震災を機に「死」を意識して生み出された大作で、その存在感は多くの招待客の目を惹いていた。

   出展作のうち、「Theory of Elements」は今後一般公開が予定されているという。

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