認知症と向き合う社会へ

日本の高齢化社会において、認知症は避けて通れない課題となっている。株式会社アーラリンクが運営する「誰でもスマホ リサーチセンター」が、全国の「誰でもスマホ」利用者587人を対象に東京都の協力のもと調査した結果を発表した。この調査は、認知症に関する実態と人々の意識を明らかにするもの。

家族との同居と認知症の現状

調査によると、家族と同居している回答者の11.5%が、同居家族に認知症または軽度の認知機能障害がある人がいると回答。これは、家族と暮らす10人に1人が認知症の人と共に生活していることを示す数字だ。また、自身が認知症または軽度の認知機能障害の状態にあると回答した人は4.3%。年齢層は30代から70代まで幅広く、認知症が特定の年齢に限らない問題であることを示唆している。

認知症への対応と必要な支援

家族が認知症になった場合に最も必要だと考えられているのは「介護保険サービスや地域包括支援センターといった公的支援」。一方、自身が認知症になった場合は「お金」が最も必要とされている。これは、家族への負担を軽減したいという思いの表れかもしれない。

興味深いのは、認知症の疑いがある場合の最初の相談先。「病院・診療所」が59.8%でトップ、次いで「行政の窓口」が35.6%となっている。一方で、「友人」や「勤務先の上司・同僚」への相談は低い割合にとどまり、認知症に対する社会の理解がまだ十分でないことがうかがえる。

Q. 「一緒に暮らす家族等」が認知症(または軽度の認知機能障害)であるか、または今後そうなった場合に、一緒に暮らし続けるために一番必要だと思うことは何ですか?

Q. 「あなたご自身」が認知症(または軽度の認知機能障害)であるか、または今後そうなった場合に、家族等と一緒に暮らし続けるために一番必要なことは何ですか?

Q. あなた自身、または同居の家族等が認知機能に障害があるかなと思ったときに、最初に相談したいと思う相手、機関等を教えてください。

認知症への理解を深める取り組み

調査では「認知症クイズ」も実施。9月21日が「認知症の日」であることを知っていた人は57.2%にとどまり、認知症に関する社会的な理解を深める余地がまだあることを示している。

認知症は誰もが直面する可能性のある問題である。この調査結果は、公的支援の充実や社会全体での理解促進の必要性を改めて明らかにしたものである。