年の瀬も近くなり、年末調整の書類を揃えたりボーナスが支給されたり、改めて自分の給料に物思うことの多くなる時期。他人の懐具合も気になるところだが、国税庁の「平成27年分民間給与実態統計調査」によると、年間の平均給与は420万円だという。男女別にみると男性521万円、女性276万円。正規・非正規別に見てみると、正規485万円、非正規171万円だという。
21社が300万円未満
国税庁の調査は全国・全年代の平均だが、東洋経済オンラインは「30歳年収『東京都ワースト500社ランキング』」を発表している(2016年09月28日)。上場企業約3600社を対象に各社の30歳社員の年収を推計したところ、物価が高く、賃金も高い傾向にある東京都でさえ、30歳推計年収が300万円未満の上場企業は21社、400万円未満は282社を数えたという。
ざっとワーストランキングを紹介すると、1位「太平洋興発」30歳推計年収197万円、平均年収312万円、2位「やまねメディカル」同212万円、同289万円、3位「日本管財」同222万円、同329万円、4位「プレステージ・インターナショナル」同226万円、同263万円、5位「堀田丸正」同227万円、331万円となっている。なかには8位「ニチイ学館」、18位「セーラー万年筆」など、名の知れた企業もランクインしている。
下を見たらきりがない?
この結果はネット上でも衝撃をもって受けとめられたようで、ツイッターでは、
「上場企業でこれは洒落にしか思えないというか」
「30歳年収100万円台とかどういうことなの・・・」
「入社してはいけない会社ランキングだな」
「現代の奴隷制度を見た気分や。福利厚生がしっかりしてるとか、有給がどうのや業務の楽さとか、そんなこと言ってられんレベルやな」
「笑ってやろうと思ったけど、良く知ってる使ってる会社があって超切ない」
「えっ...社会人一年目の時点でこれより貰ってましたけど...俺幸せなんだな」
「わー、前に勤めてたとこが載ってるよ。これ」
といった声が続々とあがっていた。
なかには、胸中複雑な人も。
「推定年収、僕より高いんですが...」
「( ´ー`)フゥー...うちとそないかわらん」
「これって下見て安心しろってデータ? ここのランキングにものれない個人経営の社員だったら辛すぎるやん...」
「上場企業がこのザマだから、中小零細の多くが低賃金であることは明白だろう」
他方、こんなふうに胸を張る人もいた。
「俺の年収もバッチリこの中だけど、定時退社で残業なし。何よりやりたかった仕事であること。価値は給料だけじゃないッス」
確かに仕事の価値は年収だけではないだろう。ランキングを虚心にながめながら、己の働き方を振り返ってみるのもよいかもしれない。(KM)