日本の労働者の4割近くが非正規労働者という、このご時世(2015年時点、厚労省「労働力調査」より)。若者のフリーターや主婦のパートに限ったことでなく、働き盛りが非正規労働者というパターンもめずらしくない。
家事や育児を手伝うようになり
Q&Aサイト「発言小町」に「妻が非正規雇用を許してくれない」という悩みが届いた。投稿者は33歳の男性。もともと大手企業の正社員SEだったが、毎日終電で帰宅するという激務がたたり、うつ病に。退職して、今は派遣でSEとして働いている。
派遣になって年収は下がったものの、残業はなく、休みもしっかり取れる。生活費のほとんどは男性が払い、家事や育児も手伝うようになった。SEとしてのスキルアップは怠らず、資格取得、英語上達のため勉強中。かりに今の職場で契約満了になっても他のところで働ける自信があるという。
しかし、妻からは「正社員になれば」と何度も嫌味を言われる。
「まるで怠け者扱いのようで腹が立ちます。なぜ文句を言われなければならないのか」
と男性が問いかけると、さまざまな答えが寄せられた。
まず多かったのが、「派遣は不安定」だからと、妻の言い分に理解を示す声。
「どんどん派遣の指名がなくなる頃、子どもに学費がかかる。家を買おうにもローンもろくに組めない。社員になれば一生安泰ではありません。でも明らかに非正規よりは守られています」
「同じIT業界からアドバイスを。契約社員として今後SEとしてやっていけるとの事ですが、1人/月の働きしかできないのであれば、給与はすぐに頭打ちになります。また今の時代、希望年収の高いSEは現場から敬遠されます。『この案件は月給20万ですが、どうします?』と言われて、プライドを捨てて受けることができるでしょうか。まだ33歳なので引く手あまたかも知れませんがあと15年もすると、面談が中々通らなくなってきますよ。」
なかには、
「奥さんにしたら、『大企業勤務の正社員』『定年まで安定収入が見込める』あなただから、結婚したのです。派遣なんかで落ち着かれては、『話が違う!』のです」
という踏み込んだ意見もあった。
ワークライフバランスを大事に
一方には、
「奥さんに『パートに文句を言われたくない。自分が正社員になってから言え』と言ってやれば?」
と、男性を擁護する声もあがった。
角突き合わせるのではなく「和解」を促す人もいた。
「奥さんが正社員で働く道もありますが、そうなると投稿主が短時間勤務しなくてはいけなくなるでしょう。育児と家事の分担ができるのか、よく話し合ってください」
「一家の大黒柱が病気になり、子供も産んで1年たらずで睡眠不足の時期に育児と今後の生活の不安がいっぺんに襲ってきた奥様の気持ちは考えられません?」
寄せられた多くの回答に対し、男性は、
「妻は保育士とホームヘルパーの資格を持っていますが、『正社員になれば?』というと怒りそうです。子どもには学資保険をかけていますし、自分は将来的にはフリーランスとして収入を増やしたい。あくまでワークライフバランスを大事にしたいです」
と、正社員に戻る気はないと宣言した。
正規にしろ、非正規にしろ、働くにはまずは体が資本。また体調を崩すことがないように気をつけてほしいものだ。(KM)